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香港政府、築50年超の建物が5割以上の油麻地と旺角エリアの調査研究を発表

古い建物が多い油麻地と旺角

古い建物が多い油麻地と旺角

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 油麻地(Yau Ma Tei)と旺角(Mong Kok)を再開発するため「油旺地區規劃研究(Yau Mong District Study)」の名称で2017年5月から調査研究している香港政府市區重建局(Urban Renewal Authority/URA)がの韋志成行政総監が6月18日、基礎的研究を終えたことを受け、その概要を明らかにした。

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 開発する油麻地と旺角は商業地域として有名だが、低層階は商業施設でも高層階はマンションであることが少なくなく、人口密度が高い状況のうえ、建物の老朽化も進んでいることから、将来に備えて計画しておこうとするもの。

 適用範囲は、北が界限街(Boundary Street)、南が佐敦道(Jordan Road)、西が深旺道(Sham Mong Road)、東が染布房街(Yim Po Fong Street)に囲まれた約212へクタール。地域内には3300の建物があり、そのうち築50年を超えた建物が50%以上ある。築30年以上の建物も80%を超えている。

 開発は全体を6つの地区に分ける。1つ目は西九龍駅(West Kowloon Station)、2つ目は「旺角東駅(Mong Kok East Station)」、3つ目は「旺角街市(Mong Kong Market)」、4つ目は「洗衣街(Sai Yee Street)にあった旧水務署(Water Supplies Department)」と金魚街一体」、5つ目は「花墟道(Flower Market Road)暗渠一体」、6つ目は「大角咀(Tai Kok Tsui)工廠区」だ。

 ただし、これら地区の人口の状況にも関わってくるので「正」「負」「零」の3パターンでシミュレーションを行う。「正」は人口が現在と同じ21万人から22万人を想定し、公共空間において1人当たり1.2平方メートルの空間がある。「零」は現在より少し人口が減少し18万~19万人で、1人当たりの空間は2.5平方メートル。「負」は人口が15万~16万人と大幅に人口が減ることを前提とし、そのため1人当たりの空間は3.5平方メートルと広くなる。

 URAは最近、馬頭圍(Ma Tau Wai Estate)に「煥然懿居」(eResidence)」という初めて香港市民のみを対象にした住宅(450戸)の供給を始めた。入居する人の55%はファミリー、45%は単身者で、年齢別では全体の8割は1980年~90年代生まれだという。こうした動きも今後の参考にするようだ。

 計画の総投資額は1兆1,000億香港ドルだが、URAは2,000億香港ドルの赤字を計上している。URAの総資産額は470香港億ドルで、280億香港ドルが不動産で、180億香港ドルなどとなっているが、この先5年間で住宅の建設などで340億香港ドル分支出することが決まっている。この大型計画がこのままスムーズに進むかは不透明な部分がある。韋行政総監は最終的な計画大綱は2020年初頭に定めることになるだろうと予測する。

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