暮らす・働く

香港地下鉄「屯馬線」、2月14日開通へ 第1期は大圍から啓徳まで

2月14日の開通を目指す「屯馬線」

2月14日の開通を目指す「屯馬線」

  • 260

  •  

 香港鉄路(MTR)は1月17日、現在建設中の沙中線(Shatin to Central Link)の中1つで大圍(Tai Wai)と紅●(Hung Hom)を結ぶ東西走廊(East-West Corridor)を含む路線「屯馬線(Tuen Ma Line)」について、2月14日の開通を目指していると発表した。最終的に馬鞍山と屯門を結ぶ新路線のため、この名称が付けられた。工事は五洋建設、新菱冷熱工業、伊藤忠商事、近畿車輛、川崎重工などの日系企業が多く落札している。

[広告]

 沙中線は、大圍から紅?までの11キロと南北走廊(North South Corridor)と呼ばれる紅?から金鐘(Admiralty)までの6キロに分かれている。前者の東西走廊11キロに、大圍から烏渓沙(Wu Kai Sha)までをつなぐ馬鞍山線(Ma On Shan Line)を1つの路線とする。屯門(Tuen Mun)から紅?を結ぶ西鉄線(West Rail Line)をも接続させることで烏渓沙から屯門までを1つの路線にするというものだ。さらに、西鉄線の屯門から屯門南(Tuen Mun South)まで延伸する計画があるほか、途中に洪水橋(Hung Shui Kiu)駅という新駅の建設も計画中。全てが完成すれば総延長57キロ、29駅、所要時間は1時間強で、九龍(Kowloon)と新界(New Territories)を横断かつ縦断する路線となる。

 現在工事中の大圍-紅?間は2000年に政府が発表した鉄道の計画に盛り込まれ2012年に行政会議で批准、同年に着工した。長さは11キロで、途中、顯徑(Hin Keng)、鑽石山(Diamond Hill)、啓徳(Kai Tak)、宋皇臺(Sung Wong Toi)、土瓜湾(To Kwa Wan)、何文田(Ho Man Tin)の6駅を新設・増設する。今回は大圍-顯徑-鑽石山-啓徳を第1期として先行開通させる。大圍から啓徳までの料金は9.3ドルに設定した。8両編成で、最も混雑する時間帯は3分30秒に1本の間隔で運行する。延伸後の鑽石山駅は屯馬線と観塘線の乗換駅となり、これまで鑽石山駅から大囲に向かう場合は九龍塘(Kowloon Tong)で乗り換えるため約17分かかっていたが、直通により9分になると想定する。この路線により、新界の北部と東部の住民が九龍東部に行きやすくなり、乗客が集中していた東鉄線の大圍-九龍塘間の混雑が緩和されるものと見られている。

 車両はドアの幅とほぼ同じの長さのディスプレーなどを搭載し、乗客に適切かつできるだけ詳細な情報を表示できるようにした。加えて車両と車両の両端の天井近くに2カ所にもディスプレーを備える。これは、特に通勤ラッシュなどの混雑時にディスプレーが見づらい乗客のために設置するものだ。
残りの宋皇臺-土瓜湾-何文田-紅?間を走る第2期の路線は2021年末に開通する予定。
紅?と金鐘を結ぶ南北走廊が完成すると東鉄線(East Rail Line)を接続させ、上水(Sheung Shui)から金鐘までが1つの路線となる。こちらは逃亡犯条例改正案に伴う抗議活動でMTRの施設が破壊された影響で、南北走廊の工事をしていた作業員が修復に取り掛かる必要に迫られたため、2021年を予定していた開通は2022年第1四半期にずれ込む予定だ。

 ●=石へんに勘

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース