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香港、ほぼ全ての施設で「安心出行」のスキャンを義務化 12月9日から

遂にすべてのレストランで「安心出行(LeaveHomeSafe)」が必要になる香港

遂にすべてのレストランで「安心出行(LeaveHomeSafe)」が必要になる香港

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 11月24日に期限を迎える新型コロナウイルスの防疫対策について香港政府は11月23日、これまでの対策についてほぼ継続して行うことを発表し、新しい防疫対策として、香港政府が開発した新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を通知するスマートフォン向けのアプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」を基本的に全ての施設で利用することを義務付けた。防疫対策の期間は11月25日~12月8日で、2週間継続する。

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 香港は24日現在、累計感染者数が12,411人、死亡者は213人、回復者12,376人、新規感染者は輸入症例の6人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が4,713,454人(70%)、2回目も終えた人は4,508,255人(66.9%)となっている。11月24日現在で47日連続で市中感染ゼロが続いている。

 安全出行は、11月1日より、立法会、図書館、郵便局、街市など政府関係機関などに入る場合は「安心出行」の利用を義務付けていたが、12月9日からは、全てのレストラン、映画館、スポーツクラブ、美容院、カラオケ、テーマパークなど防疫措置の条例で管理される場所においてQRコードのスキャンが必須となる。

 ただし、統計処が4月15日に発表した「資訊科技使用情況和普及程度(Information technology usage and penetration)」によると、10歳以上でスマートフォンを持っていない人は約34万人、携帯電話そのものを持っていない人が約19万人おり、合計約53万人が大きな影響を受けることになる。これらの人たちへの対応について香港政府は何も語っていない。おらず、今後、どんな対応をするのか発表が待たれる。

 香港経済は中国本土に依存しているところがあることから、香港のビジネス界を中心に中国との往来に隔離なしでできるだけ早く実現させてほしいという声が大きく、香港政府としてもその声を重視。その実施のためには、北京五輪を2022年2月に控えるなど、ゼロコロナ政策を推進する中国政府の要望に応えなければならない実情がある。感染症対策の基本は感染者の追跡にあることから、安心出行の利用を幅広く義務化することで追跡の精度を上げ、追跡を容易にすることで中国政府の信頼を得たい考えだ。

 香港の状況について中国本土から防疫対策の専門団が4日間の日程で来港しており、最終日の23日は、薬局、クリニック、学校、ワクチン接種会場などを視察した。香港政府との話し合いでは「回港易(Return2hk)」の時に使われる「?康碼(Yuekang Code)」などの扱いや応用方法について話し合った。

 外食が多い香港人にとっての懸案事項はレストランでの安心出行の利用。A類からD類まで分類されている飲食店は22時まで営業可能で、1卓4人、収容人数50%の制限が設けられているB類について、これまでは安心出行の利用または所定の用紙に必要事項を書くということが選択できていた。それを受けて食物及衞生局(Food and Health Bureau)陳肇始(Sophia Chan)局長は11月3日の記者会見で、「レストランB類については紙ではなく安心出行の義務化を考えている」と述べていた。今回のように最終的には、A類、B類のレストランのみならず、全ての施設で安心出行が義務化されることから、専門団との話し合いが影響したものと見られている。

 また、クルーズ船については、乗船者数の上限を50%から75%に引き上げる。クルーズ船の運行が徐々に再開しており、それに伴う措置となる。

 一方、マカオ政府は11月23日、これまで香港居民がマカオに入る場合24時間以内の陰性証明書の提示を求めていたが72時間前に緩和すると発表した。ただし、マカオ入境後の14日間の隔離に変更はない。

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