暮らす・働く

香港政府、健康コード導入へ 中国本土との隔離なし往来、12月10日から

中国本土との隔離なしの往来について新しいシステムを導入する香港

中国本土との隔離なしの往来について新しいシステムを導入する香港

  • 17

  •  

 香港政府は12月2日、懸案となっていた香港と中国本土との隔離なしの往来について、「香港健康碼(Hong Kong Health Code)」呼ぶ健康コードシステム導入し、これを利用することで中国との往来が緩和されると発表した。実名、住所の登記、安心出行(LeaveHomeSafe)とのひも付けをしなければならないほか、「回港易(Return2hK)」の時に使われる専用コード「粤康碼(Yuekang Code)」ともつなげることが可能だ。12月10日から運用が始まる。

[広告]

 香港は6日現在、累計感染者数が1万2467人、死亡者は213人、回復者1万2408人、新規感染者は5人ですべて輸入症例となっている。一方、ワクチン接種者については、1回目が478万5119人(71.1%)、2回目も終えた人は455万6343人(67.7%)となっている。3回目の接種回数は21万5858回だ。

 中国本土から香港に戻る際は、香港居民が本土からの香港に戻ったときに強制隔離が免除される「回港易」と中国本土とマカオに滞在する非香港居民が隔離なしで香港に来ることができる「来港易(Come2hk)」という2つのシステムが既に整備されていた。しかし、北京五輪などを控えゼロコロナ政策を進めている中国政府は厳しい水際対策を取っており、香港から中国に行くには最低2週間の隔離をしなければならず、それが香港と中国本土との往来の障害になっていた。

 流通のハブ、アジアの金融都市としての機能を持つ香港としては、ウイズコロナで世界とのつながりを維持したいところだが、経済を中国本土に依存しており中国本土との往来を再開できるかが最重要課題であるため、香港政府もゼロコロナ政策を継続してきた経緯がある。

 往来緩和に向けて11月20日~23日に中国本土から防疫対策の専門団が4日間の日程で来港して香港のコロナ対策の実情を視察した。その後、中国政府と断続的に話し合いを進め合意に至ったと見られる。

 略して「港康碼」と呼ばれるシステムは、事実上、中国本土で既に利用されている追跡アプリ「健康碼(Health Code)」を香港向けに改良したもので、中身はほとんど同じ仕様となる。登録には、香港居民の場合、まず港康碼の専用サイトにアクセスし、ID番号、氏名、電話番号、住所を入力する。非香港居民の場合は住所の代わりに滞在しているホテルや部屋番号などの情報を登録する。その後、パスワードなどを設定すると個人の識別番号が送られてくる。再び、港康碼にログインし識別番号を登録する。さらに安心出行に追加された港康碼のページにアクセスし、こちらにも識別番号を登録する。

 実際に中国本土に向かう際、港康碼にアクセスし健康状態の確認などを含めた正式な申請を行うと、中国本土で利用する申請番号が送られてくる。

 中国本土では、レストラン、観光地、ショッピングモールなどに設置されているQRコードをスキャン。緑色、黄色、赤色の3色で感染リスクを色分けされる仕組みとなっている。

 このシステム導入により、個人情報や行動履歴を政府側に把握されることから港康碼について不安の声が上がっており、実際に中国との往来するビジネスマンがどの程度増えるのかについてはまだ予想が立っていない。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース