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香港政府、オミクロン株で再び厳しい防疫措置 18時以降の店内飲食禁止

香港政府は、再び厳しい措置を講じた

香港政府は、再び厳しい措置を講じた

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 香港政府は1月5日、オミクロン株を巡る状況が急速に悪化したことを受けて1月7日~20日の新しい防疫措置を発表した。18時以降のレストランでの店内飲食禁止を復活させるほか、フィットネスセンターなどのほとんどの施設の営業停止、コンサートなどの大型イベントの禁止などが盛り込まれた。

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 香港は6日現在、累計感染者数が1万2708人、死亡者は213人、回復者12626人。新規感染者は38人だが、輸入症例が37、地場感染が1人の内訳となっている。一方、ワクチン接種者については、1回目が494万5514人(73.4%)、2回目も終えた人は468万0990人(69.5%)となっている。3回目の接種回数は45万5642回だ。

 香港では2021年12月31日にキャセイパシフィック航空のクルーが3日間の自宅隔離を無視して九龍塘(Kowloon Tong)にある大型ショッピングモール又一城(Festival Walk)にある望月楼(Moon Palace)で食事をするという検疫違反によるオミクロン株の市中感染から始まった。そこには200人の客がいたと推測されており、さらに、同レストランからすでに数人の新規陽性者が出るなど徐々に広がる様相を見せている。

 併せて12月27日にアメリカからのフライトで戻ってきた同航空の28歳のフライトアテンダントが1月1日に陽性反応を示した。同居する母親は12月31日に銅鑼湾(Causeway Bay)にある社区中心(Community Centre)でダンスを踊っていたが、その母親は1月2日に発病し入院した。そのダンス場所からさらに4人のクラスターが発生するなど感染症が広がっていく典型的なパターンとなった。昨年4月から5月にかけて台湾がアルファ株に感染したパイロットから集団感染が発生したが、そのパターンに今回は似ている。航空関係者に厳格な隔離をすると運航に支障を来すだけに水際対策の難しさが露呈した形となった。

 世界保健機関(WHO)も米国疾病予防管理センター(CDC)も既にCovid-19は飛まつ感染のみならず空気感染することを認めており、その上に感染力が高いと言われているオミクロン株が香港内に流入し始めたことで、一気に猛威を振るいだしたことが明確になった。

 具体的な防疫対策については、公衆での集まりを制限する「限聚令」については最大4人、公共の場や公共交通機関でのマスク着用義務についての変更はない。

 レストランにおいては、18時から翌朝5時まで店内飲食禁止が復活する。他の時間帯もB類においては1卓当たりの2人まで、C類は同4人、D類は同6人までに制限される。ただし、収容人数の上限や客が入店する際の「安心出行(LeaveHomeSafe)」の使用義務に変化はない。

 一方、バー・パブ、アミューズメント施設(ゲームセンター、ビリヤード場、ボウリング場、アイスリンク)、浴室、フィットネスセンター、公共娯楽施設(コンサートホールなどの会場)、パーティールーム、美容院、ナイトクラブ、カラオケ、マージャン、マッサージ、スポーツ施設、スイミングプール、クルーズ船、イベント会場は営業停止となる。

 この中の、クルーズ船の運航停止については、濃厚接触者と判定されていた9人がクルーズ船「海洋光譜號(Spectrum of the Seas)」に乗船していたことが判明したための措置となる。海洋光譜號は予定を早めて香港に戻った。乗客2500人、船員1200人の合計3700人全員がPCR検査などを受けたほか、9人の濃厚接触者は竹●灣檢疫中心檢疫(Penny’s Bay Quarantine Centre)に送られ隔離措置となった。

 ほかにも自転車のイベント「サイクロソン」が中止になったほか、人気歌手、張敬軒(Hing Cheung)が1月6日~15日の間に予定されていた計8回のコンサートが延期となり、一般入院患者へのお見舞いも一部で禁止となるなど影響が出始めている。ディズニーランド、M+などの施設も休園に追い込まれた。

 航空便において一定の陽性者が出た場合、香港への着陸を14日間禁止し、指定された当該国に2時間以上滞在歴のある乗客は香港国際空港での乗り継ぎも不可となる「熔斷機制」については、オーストラリア、カナダ、フランス、イギリス、アメリカ、インド、パキスタン、フィリピンの8カ国の旅客便は、1月8日0時より1月21日までフライト禁止の対象となった。

 ●=竹かんむりに高

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