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香港におむすび店「華御結」のグローバル旗艦店「OMUSUBI」

香港でグローバルブランドを発表した百農社

香港でグローバルブランドを発表した百農社

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 香港でおむすび事業を展開する百農社が1月11日、香港のifc mall(Shop 1061, Podium Level 1, ifc mall, Central)にグローバル旗艦店「OMUSUBI」を開業した。

パッケージにも初めて紙を採用

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 同社の香港立ち上げは2010年のフードエキスポで、そこから10年を経て、世界に向けて発信する軸を香港に置いて展開するという。昨年末、「華御結」は香港では100店舗を達成し、ピンクのロゴで浸透してきたが、このブランドとは別に世界のどの地域でも受け入れてもらえるように、ブランド名、ロゴデザイン、パッケージ、コミュニケーションをグローバル展開に適したものに刷新した。従来の香港の「華御結」はそのまま営業を続ける。西田宗生董事長は「おむすびは場所を問わず、時間を問わず、時間、性別などを問わない自由があり、国際都市香港だからこそ育まれたおむすび文化。国際都市・香港を通じて世界に発信する」と意気込む。

 「安心安全」「環境保全」「世界展開」という3つのキーワードを根幹に据える同ブランド。「安心安全」を実現するため、新ブランドの日本米は顔の見える生産者のみから購入し、生産管理を徹底した「最高品質」の米を使い、スタート時は宮城県美里町のひとめぼれを使うという。美里町は「澄んだ空気、水源、肥沃な土地、米の成長に適した」大崎耕土が広がる。

 環境への取り組みについては、大雨や高温などの昨今の世界的な気候変動により従来の経験値では対応できない異常気象なども起こるなか、原点に立ち戻り、自然の恵みである米を使うおむすびも地球に優しくあるべきと考え、おむすびの商品パッケージはプラステックから一部を紙に切り替えた。店舗デザインに使う天然の白木は抗菌作用もあり、おひつに古くから使われている素材。のれんはオーガニックコットンを使い、再利用可能な真ちゅうを使ったり、店舗の壁の塗料もカーボンニュートラルを実現できるものを採用したりするなど、結果として、同サイズの従来の店舗と比べてプラステックを7割減らすデザインになっているという。

 従来の店舗を利用した形だが、店全体に白木を使い、布ののれんを下げ、明るい印象に仕上げている。トータルプロデュース、クリエーティブディレクションに佐藤可士和さんを迎え、赤い三角のロゴと「OMUSUBI」のローマ字を三角形に配置し思いを込めた。赤い色は「太陽の恵み、優しい心」を表しているといい、SUSHIのように世界に言葉そのものが伝わるようにシンプルに「OMUSUBI」にしたという。同ブランドへについて、佐藤さんは「事業活動を通じて環境問題に応えられる企業が求められ、社会から支持され、結果的に成功を収める。これに、クリエーティブの力で貢献したい」と参画した理由について語る。

 これまでおむすびの具材は300種類を提供してきたが、今回3つの新しい味を追加した。従来の店舗にも似た商品はあるが、どれもグレードを上げた具材を使用する。紅ズワイガニを使った「うにソースと蟹」(35香港ドル)、はベジタリアンメニューでもある「きんぴらレンコン」(30香港ドル)、南高梅を使った「種無し紀州梅干」(28香港ドル)などを展開し、同店には29種類のおむすびを並べた。スープも柚子風味を利かせた「京都ゆば豆乳スープ」、鮭を入れたみそ味の「石狩汁」、アサリと北海道昆布を使った「和風アサリ昆布スープ」の3種類を用意。お茶、コーヒー、オリジナルジュースも店頭に並べる。

 同社は2030年までに1万店舗を世界に出店する計画で、まず2025年までにアジアを中心に2000店舗、今年からグレーターベイエリアに出店をスタートする。2023年には香港に工場を設立する計画で、現在建設用地を探しているという。

 「過去10年間、香港に支えてもらい感謝。次の10年、香港から世界へ羽ばたくべく挑戦を続ける」と西田社長。1万店舗展開することにより、玄米ベースで最大14万トン、全国の米生産量の約2%、5万人の雇用を生み出し、1日最大1000万個おむすびを製造する体制を目指す。

 営業時間は月曜~金曜日=8時~22時。(土曜・日曜・祝日9時~)

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