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香港国際映画祭が開幕へ インファナル・アフェア3部作や田中絹代の特集など

公開20周年を記念して3部作を上映する「無問道(インファナル・アフェア)」(HKIFF提供)

公開20周年を記念して3部作を上映する「無問道(インファナル・アフェア)」(HKIFF提供)

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 「第46回香港国際映画祭(HKIFF)」が8月15日、開幕する。オープニングは郭富城(アンディ・クオック)さん、梁朝偉さんらが出演する香港映画「風再起時(Where the Wind Blows)」に決まった。今年はヒット映画「無問道(インファナル・アフェア)」公開20周年を記念して3部作を上映するほか、日本映画界を支えた女優、田中絹代にフィーチャーした特集も組む。

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 HKIFFは毎年3月から4月にかけて開催されてきたが、今年に入りオミクロン株が猛威を振るったことから8月に延期されての開催となる。

 今年は、世界67カ国・地域から200の作品を5会場で340回にわたり公開する。そのうちワールドプレミアが4、アジアプレミアが32を数える。コロナ禍を反映してオンラインでも約40作品を上映する。

 オープニング作品「風再起時」は1960年代の香港警察を描く。当時の香港警察は腐敗しており、現状を変えようとする警官の物語。その結果、廉政公署(ICAC)の創立につながる。郭富城と梁朝偉の共演は1988年の「都市方程式(Everybody's Somebody's Favourite)」という無線電視(TVB)でのコメディードラマ以来。映画では初共演の注目作だ。

 クロージングは「兩小無懼(Tori and Lokita)」というフランスとベルギーの合作映画。アジア・プレミアとなる作品で、今年の第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品し、記念賞を受賞した。アフリカからベルギーに親族の名義で行くものの最終的に居留を認められず、地下に潜って生活することになった姉弟を描く。

 大ヒットし、ハリウッドでリメークもされた「無問道(インファナル・アフェア)」。1作目の公開から20年が経過したことを記念して3部作の再上映も決まった。8月27日は14時15分から3部作を一気に公開する。

 毎年、HKIFFでは香港の俳優にフォーカスするが、今年は稀代のコメディエンヌ、呉君如(サンドラ・ン)さんが選ばれた。第18回の金像奨で主演女優賞を獲得している実力の持ち主。代表作「古惑仔情義篇之洪興十三妹(Portland Street Blues)」、「金鶏(Golden Chicken)」など10作品を公開するほか、8月27日の「4 面夏娃(4 Faces of Eve)」の上映後、彼女自ら登壇して映画について語る。

 日本からは、魚類学者でタレントでもあるさかなクンの半生を女優のんが演じる「美波的魚樂無窮(The Fish Tale、邦題=さかなのこ)」を上映。日本では9月1日公開の作品を一足早く鑑賞できる機会となる。松山ケンイチさん、ムロツヨシさん、満島ひかりさんによる「河畔小時光(Riverside Mukoritta、同=川っぺりムコリッタ)」、瀬戸康史さん主演の「無限制的愛(Love Nonetheless、同=愛なのに)」などもラインアップする。

 海外作品での注目は、スイスとフランスの合作映画「體操少女的落地瞬間(Olga、同=オルガの翼)」。マイダン革命直前のキーウを舞台に、故郷ウクライナを去った15歳の体操選手を描いた。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの3大映画祭の全てで監督賞を受賞したポール・トーマス・アンダーソン監督の「甘草薄餅(Licorice Pizza、同=リコリス・ピザ)」も公開する。

 オンライン上映ではフランス映画「撕裂巴黎(The Divide)」やインド映画「迷雲記(The Cloud & the Man)」、ベトナムの作品「霧之雛(Children of the Mist)」など。毎日2~3作品が視聴できるが香港のみで海外から見ることはできない。

 料金は、従来は一部の映画を除き基本的に固定だったが、今回は上映会場、平日、週末、時間帯、オープニング映画などによって価格は55~300香港ドルと異なる。オンラインは見放題が1,800香港ドル、基本は50香港ドルで「似是戲縁人(Come with Me to the Cinema ーThe Gregors)」など5作品は65ドルに設定した。割引のある回数券も用意する。チケットは各プレイガイドで発売している。

 8月31日まで。

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