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香港・ラマ島北部のフェリーターミナル「北角碼頭」がリニューアル

リニューアルしたラマ島の北角碼頭

リニューアルしたラマ島の北角碼頭

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 南●島(Lamma Island)北部にある小さなフェリーターミナル「北角碼頭(Pak Kok Pier)」のリニューアル工事が終わり、11月14日、供用が始まった。

以前のと現在のフェリーの乗降の違い

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 ラマ島と言えば「榕樹湾碼頭(Yung Shue Wan Ferry Pier)」を利用する人が多いが、同島北部には「北角新村(Pak Kok San Tsuen)」「北角舊村(Pak Kok Kau Tsuen)」という集落がある。「北角」は香港島にある「North Point」としてなじみのある名前だが、ラマ島では漢字は同じだが英語の発音は異なる。

 香港政府は2017年、「改善碼頭計画(Pier Improvement Programe(PIP))」を策定。予定では23カ所あるフェリーターミナルの改修工事を行う。第1弾として10カ所、第2弾は13カ所のリニューアル工事を行う計画だ。香港政府としては、このふ頭の改修計画を2024年には終えたい考えで、北角碼頭を除く残り22あるフェリーターミナルのうち現在は7つのふ頭は既に着工している。年末までにさらに2つのふ頭の改修工事を予定する。

 北角碼頭は第1弾して施工されたが、その理由として、このふ頭は1日約20便が出ている香港仔碼頭(Aberdeen Ferry Pier)と榕樹湾碼頭を結ぶ路線上にあり、途中でこのターミナルに立ち寄る。基本的に2つの村の村民が使うほか、時折観光客も利用するが、老朽化が著しかった。さらに、ふ頭の規模が大きくなく、改修前は船の先頭をふ頭に対して直角に着岸させ、先頭から乗客は乗り降りさせていた。ただ、船首とふ頭との間の高低差が大きいうえ、波の影響で船が揺れやすく、踏み外すと海に落ちる危険性があったことから改修することになった。

 総工費は7,240万香港ドルで、2020年4月に着工。新ふ頭は、これまでのターミナルからL字型の新しいふ頭を伸ばす形で建設。こうすることで波の影響を減らした。ふ頭が海側に数十メートル移動したことで、船を先頭ではなくスターフェリーなどのようにふ頭に対して船を横着けできるようになり、乗客は船の横から乗降できるようになった。これにより海に転落する危険性が減ったほか、最大2隻の船が同時に停泊できる。

 ふ頭の待合エリアは、木を使った「ぬくもりのある」デザインで、天井にはソラーパネルを設置して照明などは自家発電で賄うほか、次のフェリーが来るまでの情報を表示する電光掲示板、Wi-Fi、携帯などの充電施設、水飲み場、携帯、ベンチなども用意する。スロープを設けて車いすの乗客も乗船・下船ができるようにするなど、利便性向上に努めた。

 12月11日には同ふ頭でミニ展覧会を開き、市民に理解を深めてもらうほか、景品などが当たるイベントも予定している。

 ●=Y 

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