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香港政府、矢継ぎ早に防衛対策緩和 4日目・6日目のPCR検査は撤廃

着実に緩和のステップを踏む香港

着実に緩和のステップを踏む香港

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 香港政府は、男子7人制ラグビーの大会「香港セブンズ(香港國際七人欖球賽)」の前後から新型コロナウイルス対策について矢継ぎ早に緩和措置を実施している。海外と台湾からの入境後、4日目と6日目にPCR検査を受けなければならなったが、11月21日、撤廃した。

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 香港は22日現在、検査による陽性反応を示した人は205万1106人、最終確定した累計感染者は45万1444人、死亡者は1万623人となっている。新規感染者は7139人、うち581人は海外からの輸入症例だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が689万7632人(94.5%)、2回目を終えた人は675万9247人(92.7%)、3回目も終えた人は571万215人(82.1%)、4回目が57万4007回となっている。

 香港政府は、9月26日からの政府指定ホテルでの強制隔離が廃止したほか、同30日には1卓当たり人数の緩和、香港セブンズ開幕1日前の11月3日から飲食店やバー、カラオケ店などに課していた営業時間の制限を撤廃した。ここまではある程度慎重にウィズコロナにシフトしてきたが、巨大イベント・香港セブンズを皮切りにウィズコロナ政策を加速させた。

 11月17日からは「安心出行(LeaveHomeSafe)」を、より弾力的に運用する。一つは、施設入り口にあるQRコードを安心出行を通じて読み取った後、自らのスマートフォンの画面に表示されたQRコードを提示して相手のスキャナーで読み取ってもらう「主動査核(active checking)=アクティブチェック」で、これまでの基本的な手順。もう一つは施設前にあるQRコードを読み取るだけで、相手に見せる必要はない。当該施設に立ち寄ったことだけを安心出行に記録する「被動査核(passive checking)=パッシブチェック」の2つとなる。

 アクティブチェックは、マスクを外すことがある施設に適用する。例えば、レストラン、バー・パブ、フィットネスセンター、カラオケ、映画館、パーティールームなど。一方、パッシブチェックは、これまでのスーパーマーケット、ショッピングモール、街市に加え、ゲームセンター、アミューズメント施設、麻雀、クラブハウス、美容院などが加わった。香港政府管理下にあるキャンプ場や屋外レジャー施設も再開した。

 翌11月18日からは団体旅行者に対して入境後3日間の「医学的健康管理期間」中でも、観光ガイドが同行すればレストランなどでの飲食が可能になった。ただし、旅行代理店は、日程、同行する観光ガイド名、宿泊するホテル名、食事をする場所などに関する基本情報を香港旅遊業議会に登録する必要がある。同行する観光ガイドは旅行者の受け入れ前後にPCR検査を受けなければならない。一方、飲食店側も、団体客のために個室を用意し、接客するウエーターもPCR検査をしなければならないなど、厳しい条件が付く。

 まだ緩和措置は続く。これまでは、海外と台湾からの入境後、香港国際空港到着時、2日目、4日目、6日目にPCR検査を受けなければならなかった。しかし、11月21日より、4日目と6日目に関しては香港各地にある社區檢測中心(Community Testing Centre)に赴いて受けるPCR検査を撤廃した。

 残るは入境後、3日間、レストランやバー・パブなどでの飲食が団体旅行を除いて、依然として制限を受けている点。かなり緩和されたため3日間の行動制限はあまり意味がないのでは、という論調も多い中、李家超(John Lee)行政長官は「0+3、0+0といった数字の議論はしない」と述べた。これは、ゼロコロナ政策を取っている中国本土との違いを際立たせたくないことや、今後と中国本土との往来の交渉において議論の余地を残すためだと言われている。

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