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創業63年の中華スイーツ店「坤記●品」が閉店へ 過去にはミシュラン香港版に掲載も

後継者がいないことで、香港の歴史あるスイーツ店も店を閉じることに

後継者がいないことで、香港の歴史あるスイーツ店も店を閉じることに

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 「ミシュラン・ガイド香港・マカオ版」に掲載されたこともある創業63年を誇る中華スイーツの店「坤記●品」(Shop 10, 115-117 Fuk Wah Street, Sham Shui Po, Kowloon, Hong Kong TEL 2360 0328)が5月に閉店することが明らかになった。香港市民にとっては有名な店だけに、早くも惜しむ声が上がっている。

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 深水●(Sham Shui Po)にある坤記●品は、兄の傅永康と弟の傅永祥兄弟が経営してきた。元々は1960年代、兄弟の父親が車仔●の店として始めた。1985年に兄弟は深水●に「士多」と呼ばれる個人が経営するコンビニエンスストアのような商店を構えた。ジュースやお菓子などを売る普通の個人商店だが、その商品群の中に、父親が車仔●時代から販売していた●仔●、白糖●、芝麻●と呼ばれる中華系の伝統的な菓子の味を引き継いで販売していた。それら全てが手作りだった点も人気の理由だった。

 中華スイーツの一つである●仔●とは、小さなおわんに入った、広東エリアで古くから親しまれているお菓子で、うるち米の粉、さとうきび砂糖、小豆などを使う。日本的にいえば「ういろう」に近いお菓子で甘さも控えめ。同店以外でも、涼茶店やパンを売る店などでも買うことができる。

 MTR深水●駅B2出口を出るとすぐ右側に店があるが、中華スイーツが竹で作られた大きなお盆などにたくさん載せる形で店頭に並べられているのが特徴。気軽に立ち寄って駄菓子感覚で購入する客が多かった。中華菓子全体では、1日で最高1000個近く販売したこともあったという。今でも17時、18時には売り切れている商品も少なくなく、「ミシュラン・ガイド香港・マカオ版」のストリートフードのジャンルで紹介されるほどだった。

 兄の傅永康さんは、深夜1時に来店してお菓子作りの準備を始め、朝の通勤ラッシュ時になると通勤客へ対応する。ラッシュが終わった後もさらにお菓子作りを続け、午後になると勤務が終了して帰宅。代わりに弟の傅永祥さんが出勤して21時まで営業を続け、店のマネジメントや仕入れなど細かい店舗経営を担っている。

 閉店の理由は、旧正月などを除きほぼ年中無休で働いてきたことや、60代後半を迎えた兄弟の合計勤務時間は毎日20時間と勤務時間が長いため体力の限界が来ていること。兄弟の子どもたちも事業を継ぐ意思がないことも理由だという。

 閉店までまだ数カ月あり、それまでは店がなくなることを惜しむ大勢の人が訪れそうだ。定番商品は現在販売しておらず、2月2日に販売を再開する。

 深水●=土へんに歩。●=米へんに羔。車仔●=木へんに當。●仔●=石へんに本、米へんに羔。

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