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香港の気象庁「香港天文台」が創立140周年 施設を一般開放へ

大老山にある観測所©HKO

大老山にある観測所©HKO

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 日本の気象庁に当たる「香港天文台(Hong Kong Observatory)」が3月25日・26日、天文台本部(134A Nathan Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong TEL 2926 8200)を一般開放する。

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 今年で創立140周年を迎えた天文台だが、異常気象、水など地球温暖化に関係する喫緊の課題について香港市民に理解を深めてもらうため、今年のテーマを「天気・気候・水、代代向未来(The Future of Weather, Climate and Water across Generations)」とした。

 香港天文台は、英國皇家學會(The Royal Society)の企画がイギリス政府に認められ1883年に造られた。亜熱帯気候に属する香港は台風が多いことから研究場所として最適な所だったという背景がある。場所は尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の北部、美麗華広場(Mira Palace)や諾士佛臺(Knutsford Terace)の裏手側の小高い丘の上にある。現在の天文台周辺は高層ビル群となっているが、140年前の尖沙咀は高層ビルもないため、この丘に天文台を造ることに大きな問題はなかった。

 入り口は目抜き通りの彌敦道(Nathan Road)沿いにあるが、施設自体は奥まっている場所に建設されている上、周りを木々で囲まれているため、天文台本部が香港中心部に存在していることを知らない人もいる。現在は、大老山(Tate's Cairn)、平洲(Ping Chau)、横瀾島(Waglan Island)に観測機器を設置しているため観測については問題ないが、天文台本部に入るどころか建物すら見ることもできないため、年1回の開放日には大勢の人が集まることでも知られている。

 観測は翌1884年、正式に始めた。台風の警告を市民に発出したたほか、港町でもある香港は周辺海域を運航する船舶に低気圧の位置や進行方向の情報を提供してきた。

 気象学と香港の経済的発展とともに、これらのサービスに加え、航空機向けの気象情報、放射能の観測、時刻の通知、地震観測、教育セミナーなど天文台が提供するサービスは増えている。

 今年のテーマ「天気・気候・水、代代向未来」は、地球温暖化のトピックのみならず、それに関連した諸問題について取り上げる。近年、シグナル10レベルの台風襲来など大型台風の影響を受けることが増えたことや、水資源について、昔は取水制限があったほか、ダムの建設に当たっても水の枯渇問題には苦労してきただけに、未来の香港の水問題について来訪者に考えてもらうようにする。

 これまでの開放日では、本部前にある大きな庭で、ノベルティーの配布、子ども向けのゲーム形式のイベント、インスタ映えするスポットの設置、職員による気象学のガイドなどのイベントを行ったほか、本部の一部を開放し、気象について学んでもらうゾーンを設けてきた。今年の具体的な内容は発表されていないが、見学には「およそ1時間必要」とアナウンスされており、例年通り、内部の一部開放などが見込まれる。

 開催時間は9時30分~17時。

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