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「香港国際映画祭」開幕へ 伊丹十三特集など幅広い作品ずらり

オープニング作品の「命案」のシーン©HKIFF

オープニング作品の「命案」のシーン©HKIFF

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 13日間にわたって繰り広げる「第47回香港国際映画祭(HKIFF)」が3月30日、開幕する。

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 オープニングは林家棟(ゴードン・ラム)さん主演の「命案(Mad Fate)」と許鞍華(アン・ホイ)監督が描くドキュメンタリー「詩(Elegies)」の2作に決まった。毎年、日本作品を多く取り上げるHKIFFだが、今年は「マルサの女」などで知られる伊丹十三に焦点を当てた企画展を行う。

 HKIFFは毎年3月から4月にかけて開催するが、2022年は新型コロナウイルスのオミクロン株が爆発したため8月に延期された。その後、コロナ禍が落ち着き、香港政府がウィズコロナにシフトしたことから、2023年は通常通りの開催となった。昨年夏の開催から、まだ約半年しか経過していないこともあり、開催期間は従来よりも少し短くなっている。

 開催期間が短縮されたものの、世界64カ国・地域から約200の作品を7会場で320回にわたり公開。そのうちワールドプレミアが9、インターナショナルプレミアが6、アジアンプレミアが67を数える。併せて、コロナ禍で定着した感のあるオンライン上映は継続する。

 オープニング作品の「命案」はViu TVで放送されたドラマ「三命(Three Destinies)」に相関する作品。占い師はサイコパスが風水や形而上学を使って殺人が起こると予言。そこからさまざまことが起こっていく。もう一つのオープニング作品「詩」は許監督自身が全く異なる感性を持つ2人の詩人と、人生や社会などについて語り合うドキュメンタリー作品。

 クロージングは救急隊を描く「送院途中(Vital Sign)」に決まった。主演の古天楽(ルイス・クー)が演じる主人公は人命第一で、状況によっては救急隊に定められたルールを無視してでも救おうとする性格だが、同僚の游學修は昇進することを第一に考えている。そんな時、屯門公路で大事故が発生する…。

 2022年9月に亡くなったヌーベルバーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダールと元妻で、女優のアンナ・カリーナとの間で作られた作品にも注目し、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した「女人就是女人(A Woman is a Woman=邦題「女は女である」)」、「?的一生(My Life to Live=邦題「女と男のいる舗道」)」など8作品を公開する。

 伊丹十三監督デビュー作の「お葬式」のほか、「タンポポ」「マルサの女」「あげまん」「ミンボーの女」など全10作を上映する。ほかの日本映画は、倍賞千恵子さん主演の「PLAN 75」、鈴木亮平さんと宮沢永魚さんが演じる「エゴイスト」、三浦透子さん、前田敦子さんが出演する「そばかす」のほか、1979年公開の劇場版アニメの「銀河鉄道999」など。

 ほかに、イラン映画の「WORLD WAR Ⅲ」は、第2次世界大戦の映画を撮影していたがヒトラー役の俳優が降板し、エキストラが代役に抜てきされたことから発生する風刺劇。2023年のベルリン国際映画祭で史上最年少の8歳で主演女優賞に輝いたソフィア・オテロさんによる「花蜂二萬種(20000 Species of Bees)」は、夏休みを養蜂場で過ごすが、自分の性別と心が乖離(かいり)している悩みを演じた。

 料金は55~120香港ドル。オンライン視聴は1作品50香港ドル。チケットは、城市售票網(URBTIX)やHKIFFの公式サイトで扱う。4月10日まで。

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