
日本の雑貨ブランド「3COINS」(スリーコインズ)の「Hysan Place店」(Shop B209B & B210-B212, B2F, Hysan Place, No. 500 Hennessy Road, Causeway Bay, Hong Kong TEL:2808 1887)が7月18日、銅鑼湾駅直結のショッピングモール「希慎廣場」(ハイサン プレイス)に開業した。初の香港進出となる。同店は日本ではパルグループホールディングス傘下のパルが展開するが、香港市場では、日本商品専門のECサイト「YAICHI谷日百貨」や実店舗を展開するNEXT81グループとタッグを組む。
売り場面積は約53坪、商品取扱数は2600点。店内のデザインも日本の店を踏襲し、日本国内と同様の商品を販売する。生活雑貨・服飾雑貨のラインアップに加え、香港限定商品も用意した。「ちょっと幸せ」を日本語と英語でプリントしたエコバッグやポーチを用意。日本と同様、オンラインでも商品を扱うが、8月以降の開設を予定しているという。
ターゲットは日本と同様に30~40代女性を中心としながらも、メンズやファミリー、ヤング層など広く考えているという。アクセサリーなどは「飽きっぽい」香港人を意識して2週間ごとに商品を入れ替えるなどの工夫も凝らす。ハンディーファンやトイカメラなどは日本でも人気があり品切れしているが、「香港でも店頭に並べたい商品」とし、「商品の鮮度を上げていきたい」とする。
価格設定は「與日同價(日本と同価格)」という理念に基づいて行う。店内は各所に価格表が設置された。日本で販売する商品と同じものを扱うことからタグなども日本語や日本円表記のものがそのまま並ぶ。価格表には、330円=18香港ドル、550円=30香港ドル、1,650円=90香港ドル、2,200円=120香港ドルなど20種類の価格帯を用意している。物流の最適化と運営コストの削減を通じて「搶買價(=買い得価格)」を展開し、日本円対香港ドルの為替レートを基準に価格設定することで、香港の消費者が日本と同程度の価格で商品を購入できるようにすることを狙う。
出店の背景には、YAICHIグループ創業者兼会長の羅盛昌(Elmas Lou)さんが、「商品が手頃でシンプル。一つの商品にいくつもの機能もある。機能が重視されていて、時代に合っている。どうやってこの質でこの価格を実現しているだろう」と強く興味を持ち、強くアプローチしたことがある。
パルの澤井克之専務は「香港は小売りにとって重要な地域とは考えていた。そして、実際に香港のお客さまが日本で買ってくれている。日本のことをよく知っている羅さんから『もし香港で同じ価格帯ができたら香港の人たちが喜び、絶対にうまくいく』という説得もあり、この縁で香港進出を決めた」と振り返る。
「日本でも世の中が高くなっていっている。日本でも300円以上の商品も増やしてきたが、今後300円比率を増やしていきたい」と澤井さん。「既に香港から訪日する多くのお客さまに利用してもらっていた。日本とほぼ同じ価格に設定することで、日本での滞在はもっと他のことに時間を使えるようになり、スーツケースの空きも確保できたら」と羅さんはほほ笑む。
初年度の店舗売り上げは月間約1,000万円を目指す。パルはかつて上海に進出したことがあるが現在は撤退している。8月16日にマレーシアに出店することも発表しているが、「まず香港をしっかり温めていきたい」と澤井さんは話す。
営業時間は11時~20時30分。