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「香港フードエキスポ」開幕 日本勢36県の出展、大規模に

各ブース趣向を凝らし、香港市民にアピール

各ブース趣向を凝らし、香港市民にアピール

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 夏の食の祭典「香港フード・エキスポ」が8月17日~19日の3日間、香港コンベンション&エキシビジョンセンターで開催された。今年は29の国と地域から1500以上の出展社が集まり、大きく商用ホール、グルメゾーン、パブリックホールの3つのフロアに分かれて商談や商売を繰り広げた。

ジャパンパビリオンのオープニングセレモニーには、齋藤健農林水産大臣の姿も

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 商用を目的としたトレードホールで最大の出展社数を占めるのは日本のブースだ。2016年農林水産物輸出統計(農林水産省)では、香港は輸出額全体の約4分の1の1,853億円(前年比3.3%増)を占める最大の輸出先国。品目別にみても、香港向け水産物の輸出額は世界1位の800億円で、2位のアメリカ(349億円)の2倍以上、牛肉においても、米国向け輸出額の約2倍である40億円(前年比25%増)に達している。齋藤健農林水産大臣も会場を訪れ、香港と日本の食を通じた強固なつながりを強調するとともに、日本の食の安全性を訴えた。

 香港人にも人気の高い和牛もいろいろなブースで紹介されたが、出展社の一者、日本畜産物輸出促進協議会は16日、エキスポ開催に先立ち、レストラン関係者を対象に「和牛調理実演&試食会」を別会場でも開いた。「和牛統一マーク」の紹介をはじめ、それぞれの部位やカッティングの方法などについて学ぶ機会を設けるなど関連イベントを行うことで、会場を訪れるバイヤーだけでなく実際に和牛を扱うシェフなどに対しても学ぶ機会を提供するなど、会場でのよりスムーズなコミュニケーションに寄与する取り組み行っている。ジャパンパビリオン初出展となる埼玉県ブースの「笛木醤油(しょうゆ)」は、これまでアメリカへの実績はあるものの、よりアジアを重視し、特に日本料理についても成熟市場となる香港市場に対して、火入れをしていない「生じょうゆ」などのアイテムを、高級商品も受け入れる裾野がある同市場に売り込んだ。

 1階の会場は一般を対象にしたブースが並び、各社が派手な装飾でカート売りや箱売りを展開するなど、香港市民が楽しむ恒例の催しとなっている。巨峰やメロンのソフトクリームや日本風の茶わん蒸し、ウナギとチーズを挟んだトースト、台湾の麺に北京のデザートなどスナック感覚で食べ歩きできるアイテムも多く並び、にぎわった。

 同フロアに出展の日本企業もある中、ジョイントベンチャーで香港ディストリビューターTelford社から新商品を発売した京都・宇治の「北川半兵衛商店」は、同ブランド名でペットボトル入りの緑茶を販売。国内でもキャンディーでの抹茶商品を皮切りに、アイスクリームブランドなどさまざまなメーカーと協力し、ブランド名を育ててきた中、海外での挑戦ではペットボトル飲料で勝負を懸ける。

 最終日は商用会場も一般客に開放するなど、世界の食に目を光らせる香港市民たちは、多くの商品を手にしたり、試食したりしながら吟味を重ねていた。

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