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香港でデザインとテクノロジーをテーマにしたエキスポ-日本は「和空間」を紹介

茶室を展示する日本ブースの様子

茶室を展示する日本ブースの様子

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 革新的なデザインやソリューションの技術、また商品力を高めるアイデアを紹介するエキスポ「イノ・デザイン・テック・エキスポ2014」が12月4日から灣仔の香港コンベンション&エキシビションセンターで開催されている。今年は10回目の開催となり、1階はトレードホール、3階はインスピレーションホールと名付けられ、世界各国から400を超える企業が参加している。主催は香港貿易發展局(HKTDC)。

日本の伝統工芸を組み込んだドアハンドルを展示

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 今年のパートナ-国はスウェーデン。イケア(IKEA)やエレクトロラックス(Electrolux)、ボルボ(Volvo)など世界を代表する企業50社が出展しパビリオンが設置されている。スウェーデンならではのはっきりとした色使いを生かしたデザイン、デザインと技術がいかに進化を遂げてきたかが紹介されているほか、若い企業家のために設定された「スタートアップゾーン」や100を超える香港や海外の発明家が集まる「グローバルインベンションゾーン」が設けられ、さまざまな革新的アイディアを共有できる空間に仕上げた。

 日本ブースは1階出入口付近に茶室を設置し、会場の注目を集めている。日本ではライフスタイルの欧米化に伴い、和室の建設件数も減少の一途を辿るが、香港や中国の一部の富裕層の間では、「和風」トレンドに人気が集まり、最近では自宅に畳の部屋を作る人までいるという。

 ドアハンドル、レバーハンドルをはじめ都市景観にあった車止めや防護柵、壁面デザインなどを手掛ける建物金物のものづくりメーカー・ユニオン社もブースを設置。漆や南部鉄器、越前打ち刃物など日本の伝統を生かしたドアハンドルを展示した。エキスポに合わせ来港した同社の立野純三社長は「香港は規制も少ないため、自由なデザインが多く街を見ていても楽しい」と話しながらも「ドアハンドルなどをみると種類が少なく同じ規格のものを使用していることも多い」と商機を狙う。

 しかし職人が激減するこの20年を振り返り、「ドイツのマイスター制度のように、職人にもきちんとした社会的地位を確保していく動きなどが必要」と日本の状況を危惧する。同社も先代の創業者が滋賀から大阪に出てきた人であることからも、「同じ地域の人だけが集まっているところに活気は生まれず、香港のように、さまざまな人が行き交うことでアイディアが生まれ、競争が生まれて刺激しあうことが大切」と海外進出の意義も語った。

 入場無料。会期は6日まで。開催時間は9時30分~18時30分。

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