香港でジュエリーの祭典-日本産赤サンゴも注目集める

日本ブースでも展示された赤サンゴ

日本ブースでも展示された赤サンゴ

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 アジアワールドエキスポと香港コンベンション&エキシビションセンターの2会場で現在、宝飾品の国際見本市「第2回香港インターナショナル・ダイヤモンド、ジェム&パール・ショー」と宝飾品完成品の見本市「第32回香港インターナショナル・ジュエリー・ショー」を同時開催している。

出展数最多の山梨県企業は、看板に富士山の写真を使い、日本らしいブースづくり

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 出展企業数は昨年の過去最高を大きく更新し、世界52の国・地域から4360の企業が出展。両イベントを合わせた日本からの出展者数は前年比約25%増の286社(素材市143、完成品市143社)となった。

 当初は本土の「ぜいたく禁止令」の影響などで、売上げが落ち込む可能性が危惧されていたが、ふたを開けてみれば「高額な商品は以前に比べて動きが鈍いが、逆に中間層のものが以前に増して売れている」と出展者たちは声を揃える。

 2014年度の日本の宝飾品の輸出総額は2,677億円に上り、このうち国・地域別では、昨年よりも273億円増の香港が約992億円(全体の37.1%)と2位のスイス、3位のマレーシアを大きく上回る割合を占める。

 ジャパンパビリオンを率いる日本ジュエリー協会の丸山朝会長は「ジュエリー業界の変化は日本側にある」と話す。業界内では未だ香港を買付の場所と認識している人もいるが、同展示会をはじめ「円安要因があっても気にならないほど売れるところ」と位置づけ、「同業界は中小企業も多いため、一枚岩となって香港政府をはじめ、香港マーケットに働きかけることが重要」と話す。

 ジャパンパビリオン周辺には明らかに人が多く、エメラルドなどが好調に売れている様子。両イベントを合わせ53の企業が出展し、宝飾製品の出荷額日本一を誇る山梨県の企業は、中級製品の完成度の高さでバイヤーの注目を集めていた。

 ここ数年で5倍にまで高騰したという高知産の赤サンゴを使ったジュエリーも人気を集め、フロアが離れたイタリアのジュエリー企業でも「日本産のものは赤の色味が深く、価値が高い」と品質を評価する。

 日系企業の中では、日本市場で販売しているものと同様の商品を並べる企業、日本では流行でなくなった物を販売する企業、中国本土の人の好みに合わせ、石が大きなものを揃える企業がある一方で、小さな石や繊細なデザイン、チェーンなどに特化し、日本へのオーダー制を基本に商談を進める企業など、商売スタイルの幅広さも受け入れられているようだった。

 入場は両イベント共、業界関係者に限るが、「香港インターナショナル・ダイヤモンド、ジェム&パール・ショー」はすでに会期を終了し、「第31回香港インターナショナル・ジュエリー・ショー」は8日まで5日間の日程で開催されている。

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