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香港日本人学校、「グローバルクラス」新設 日本の学習指導要領に沿い、英語で学ぶ

新クラスを設置する香港日本人学校小学部香港校

新クラスを設置する香港日本人学校小学部香港校

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 香港日本人学校小学部香港校は7月17日、日本の学習指導要領を基本に指定科目や探求型学習について英語で学ぶ「グローバルクラス」を来年の新学期に新4年生を対象に設けると発表した。同様のクラスの設置は、海外の日本人学校で初めてだという。

香港日本人学校香港校の外観

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 英語と中国語(広東語)が公用語の香港では、学校選択についても日本人学校、現地校、インターナショナルスクールなどの選択が可能。両親の国籍が異なる場合や日本人の両親を持つ親であっても、子どもの将来を考えインターナショナルスクールを選択するケースもあるほどだ。現在も約600人の日本人の児童がインターナショナルスクールで学ぶ現状がある。

 香港日本人学校は私立の小・中学校で、香港には2つの小学部があり、現在303人の児童が在籍する。もともと英語教育に力を入れ、本年度からは全学年週5時間(毎日)の英語の授業を設定しているが、今回の同クラスの新設により、課題解決力や英語でのコミュニケーション能力、英語でものを考え、英語を使って調査ができ、グローバル社会で生き抜く力を持つ生徒を育てることに主眼を置く。しかし日本の指導要領に基づくため、規律、集団生活、道徳など日本の学習が大切にし、日本人の良さを残しながら、グローバル市民としての主体性を育成することを目指す。

 同クラスは新4年生を対象に初年度は20人の少人数クラスとしてスタートさせる。来年4月2日に満9歳の子どもが対象。国籍は不問だが、一定の日本語能力を持つことが条件となり、現在の3年生からの編入、インターナショナルスクールや現地校に通う児童が対象となる。英語に切り替える科目数、科目内容など一部は現在も調整中であるものの、他のクラスと同様に担任を置きながらも、科目によって教科担当を置くケースも想定する。樗木昭寿(おてきあきひさ)校長は「あくまでも日本人学校であることを基本に、子どもにとってこんな選択肢があったのかと思ってもらえれば」と話す。「教材、人材などクリアにしていかなければならない問題もまだあるが、この新しい試みで変化の著しい今の社会を主体的に生き抜く力を育てたい」とする。

 9月19日に香港校で説明会を開き、12月5日に編入学試験を実施する。説明会のオンライン予約は7月27日から始める予定。

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