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屯門と香港国際空港を結ぶ路線、2018年開通へ  空港への代替路線として期待高まる

現在工事中の香港国際空港へと繋がる新路線(画像提供:港珠澳大橋香港相関工程)

現在工事中の香港国際空港へと繋がる新路線(画像提供:港珠澳大橋香港相関工程)

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 2018年に開通する新界(New Territories )西部の屯門(Tuen Mun)と香港国際空港横にできる人工島を結ぶ屯門至赤ラップ角連接路(Tuen Mun-Chep Lap Kok Link)について10月28日、その進ちょく状況を梁振英(CY・リョン)行政長官が視察した。

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 この路線が注目されたのは10月23日夜、馬湾(Ma Wan)と大嶼山(Lantao Island)を結ぶ高速道路の青嶼幹線にある長さ750メートルのつり橋、汲水門大橋(Kap Shui Mun Bridge)にクレーン船が衝突したことだ。安全点検のため2時間にわたり道路、鉄道がともに封鎖。周辺は大渋滞となり交通がまひし、航空便が遅延する事態となった。こういった事態を受けて梁行政長官は工事が進む同路線の工事現場を視察した。

 この路線は、香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋の開発の一つ。具体的には香港国際空港の東側に304億香港ドルをかけて130ヘクタールの土地を造成するもの。ここに陸路用の旅客、貨物ターミナルを建設し税関を設置して、パスポートチェックをここで行う計画だ(マカオ側でも同様の人工島の建設が進行中)。ここを起点に西側には人工島と空港、そして港珠澳大橋までを結ぶ12キロの香港接線(Hong Kong Link Road)という名前の道路が総事業費250億香港ドルで建設される。その先からメーンである港珠澳大橋を建設する。こちらの総事業費は157億人民元(中国政府も出資するため人民元建て)で、橋は片道3車線、29.6キロ、海底トンネル6.7キロに及ぶ。

 今回の屯門至赤ラップ角連接路の総事業費は448億香港ドル。人工島を起点/終点に北側と南側に路線が分かれる。南側は青嶼幹線と結ぶ1.6キロの橋だ。例えば、香港からマカオに向かう場合は青嶼幹線を通り、途中で右折して南側の橋を通過して人工島のある税関に向かう。税関通過後、香港接線と走って港珠澳大橋を抜けてマカオに到着する。

  一方、北側は上記のように屯田南西部(区分上はエリア40と呼ばれている)との間を結ぶもので全長9キロ。うち5キロは海底トンネルとなる。周辺に生息しているピンクドルフィンなど環境への悪影響を考慮してトンネルを建設することを選択した。これまで屯門の人は汀九橋(Ting Kau Bridge)などをグルッと回らなければならず(35キロ)、約30分かかった。しかしこの橋ができると約13キロ、10分に短縮されるほか、元朗(Yuen Long)などを市民もこちらを使うことが予想され、空港へのアクセスが一気に改善する。

 水門大橋や青馬大橋(Tsing Ma Bridge)で何か発生した場合の代替連絡手段となるため、先日のような混乱による影響は大きく低減される。プロジェクトの多くは工事の遅れから延期が続き、現在は開通予定が確定していないが、屯門至赤ラップ角連接路の北側も開通の遅延があったものの2018年に開通することが決定している。

 梁行政長官は「市民による理解や支持を感謝し、できるだけ早く完成することにより生活が便利になり、香港の競争力が上がることを期待している」とコメントした。

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