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香港「中環街市」、早ければ2020年再オープンに向け緑化もテーマに

3級建築物に指定されている中環街市の建物

3級建築物に指定されている中環街市の建物

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 城市規劃委員会が3月18日、中環にある市場「中環街市」(80 Des Voeux Road, Central, Hong Kong)の活性化計画について討議を行った。批准が近いうちに終われば、再オープンに向けての動きが加速するとみられる。

建物内部の様子

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 1939年に完成した同市場は、3代目となる建築物で263店がテナント出店していた。初代は1895年、2代目は1895年に造られ、3階建てのビクトリア調のデザインだった。3代目建物は、アールデコ調デザインなどを取り入れ、商品群から西洋と東洋の文化が交差する場所としても知られ、日本の香港統治時代には「中央市場」と呼ばれていた。

 香港政府は1990年、同市場を3級建築物に指定し、1994年には建物の一部をショッピングアーケードに整備したが、2003年3月に閉鎖。現在は、ヒルサイド・エスカレーター北側の起点・終点と接続し、恒生銀行、国際金融中心(IFC)までをつなぐ通路の一部として機能しており、通路には合鍵店、アクセサリー店など数店が営業しているほか、店の反対側はイベント広場として使っている。日曜日になると多くの住み込み家政婦たちが敷物を広げて会話を楽しむ場所にもなっている。

 再活性化について、当初の計画では、6階建て・商業用スペースを1万5000平方メートルとし、地下空間の造成、「漂浮空間」と題して中庭を造り、天井をガラスにして自然光を取り入れて施設内を明るくするほか、スイミングプール、屋上に有機野菜や小さな池を作るなど約15億香港ドルの費用が掛かるとしていた。一方、あまりに費用が掛かるとの指摘を受けて昨年、同委員会は諮問期間を設け、香港市民から意見を幅広く集めた結果、105の意見が寄せられた

 105件のうち賛成意見は8件、反対意見は21件で、残りは気になる点などの指摘意見だった。これらを踏まえて提出された新計画では、高さは現建物と同じ4階建て、商業用スペースは3分の1減らした1万平方メートル、地下空間とプール建設、屋上活用を中止し、天井のガラス化を見送ることで総工費を6億香港ドルまで削減することになった。

 今回の討議では、入り口のデザイン、公衆トイレの改修とレストラン建設、1000平方メートルの公共空間の詰めのほか、建築署は「屋上を緑化してほしい」と要望するなど、細部の調整が必要なことが明らかになった。

 同計画は大筋でほぼ固まっており、最終的な課題がうまくまとまって合意手続きが完了すれば、2022年~2023年に完成する計画を前倒しして、2020年~2021年の再オープンに向けて具体的に動き始めるという。

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