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香港で「NINAGAWA・マクベス」公演へ 蜷川幸雄さん一周忌で

香港を皮切りに開催される「NINAGAWA・マクベス」

香港を皮切りに開催される「NINAGAWA・マクベス」

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 演出家・蜷川幸雄さん(1935-2016)の「NINAGAWA・マクベス」香港公演の開催が発表され、2月23日、チケットの販売が始まった。彩の国さいたま芸術劇場(埼玉県)で開催される公演に先立ち、6月23日~25日の3日間、香港文化中心(大劇場)で開催される。

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 蜷川演出の香港公演は1989年の「王女・メディア」、2014年の「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」に続き3回目。蜷川さんは2014年の香港公演の際にはリハーサル指導、その合間を縫って当時発生していた金鐘周辺の「雨傘運動」の様子を視察するなど活発に動いていたが、初日公演直前に病に倒れ緊急入院。そのため香港は蜷川さんにとっては最期の海外訪問先となった。

 「NINAGAWA・マクベス」は1980年に東京初演、その後1985年に「マクベス」の物語の舞台でもあるスコットランドでの「エジンバラ国際フェスティバル」での成功によって、海外からの招聘が相次ぐようになった。2015年に17年ぶりに復活し、蜷川さん本人も新たに世界の観客に会うことを望んでいたという。同公演は、悲報を知った各国演劇関係者からの「公演を取りやめるのではなく、追悼公演という形で偉大な演出家の足跡を伝えたい」という熱望によって実現したもの。

 2015年に「イギリス人は自国以外の人間が創るシェイクスピアを認めない。だからこそ、判定勝ちでなく、決定的な力量を示してノックアウトしなければならない。人生の終わりに差し掛かり、本当に自分が世界性を持った作品が創れていたのか、圧倒的力量だったのか、確認したくなった」という蜷川さんという思いから同作品は17年ぶりに復活した。

 「私は生きている限りこの公演を忘れないだろう」(サンデー・タイムズ)、「このマクベスは、私たちが英国でやってきたことを無駄な努力だと思わせるほどのものだ」(デイリー・メイル)、「このマクベスほど痛いような美しさを見せる舞台は長い劇場通いの人生で初めてのことだ」(ガーディアン)など、シェークスピアを生んだ英国をはじめ世界各地で高い評価を得ている。

 香港公演では2015年より主役を務めている市村正親さん(マクベス)、田中裕子さん(マクベス夫人)、蜷川組のキャスト、そして蜷川さんとともに舞台を創ってきた妹尾河童さんによる絢爛(けんらん)豪華な舞台美術、辻村寿三郎さんの華麗な衣装など、全て日本と同じ内容で公演する。

 6月の公演に合わせて、6月6日~19日にホンハムの高山劇場(Ko Shan Theatre)で、6月21日~7月9日に尖沙咀の文化中心(Hong Kong Cultural Centre)で、蜷川さんの足跡をたどる展示会(無料)が予定されている。

 香港公演は、23日・24日=19時30分~、25日=14時30分~。料金は160香港ドル、280香港ドル、380香港ドル、480香港ドル、580香港ドルの5種類。オンラインチケットサイト「URBTIX」で扱っている。同公演は香港公演を皮切りに、埼玉と佐賀での日本公演を経て、イギリス、シンガポールでも公演予定。

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