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香港の大澳文物酒店、International Hotel Awards2017-18で4冠

4冠を獲得した大澳のホテル

4冠を獲得した大澳のホテル

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 5つ星のホテルを対象にしたアワード「International Hotel Awards 2017/18」で大澳(Tai O)にあるホテル大澳文物酒店(Tai O Heritage Hotel)(Shek Tsai Po Street, Tai O, Lantau Island, Hong Kong TEL: 2985 8383)が8月7日、4部門で受賞したことを発表した。受賞部門は「International Five Stars Hotel 2017/18」「Asia Pacific's Best Small Hotel 2017/18」「Hong Kong's Best Small Hotel 2017/18」「Hong Kong Best Classic Heritage Hotel 2017/18」。

ホテル外観の様子

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 「International Hotel Awards 2017/18」はイギリスに本社を置くInternational Property Mediaが主催しているもので、建築家、インテリアデザイナー、編集者、コンサルタント、PRなどのプロによって決められるもの。2016-17年度は西九龍にあるThe Ritz-Cartonが「Best International Large Hotel」「Best Large Hotel Asia Pacific」「Best Large Hotel Hong Kong」「Best Convention Hotel Hong Kong」の4冠に輝いている。

 大澳文物酒店の歴史をひもとくと、1902年に違法移民の船や海賊対策で作られた旧大澳警署に起源がある。その後は、水上警察や地元住民の交番のような役割を果たしてきたが、2002年に閉鎖。香港政府は近年、歴史的建造物の保存や再利用に力を入れているが、この建物も2010年に歴史的建造物2級に指定された。内部改修を実施して大澳文物酒店として2012年5月にオープンしている。非営利の社会企業「香港歴史文物保育建設(HCF)」を創設し運営してきた。ユネスコが主催する「2013 Asia-Pacific Cultural Heritage Awards」で「Award of Merit(=功労賞)」を受賞した実績もある。

 今回受賞した理由は、大澳地区の経済発展、遺産保全、観光、グリーンリビングの推進などの役割も果たしていることによると見られる。大きさは1170平方メートル、部屋数はスタンダード5室、スイートルーム4室の計9室のみと非常に小さなホテルだが、大澳で取れる食材を積極的に使って西洋と中華の両方を提供するレストラン「Tai O Lookout」などが併設されているほか、100を超える地域イベントにも積極的に参加した結果、オープンからの5年間で100万人もの人が訪れたことが評価された。

 ホテルは歴史的建造物に指定されただけあり、コロニアル調の建物が目を引くほか、建物の一部には銃弾の跡があるなど、当時を忍ばせるものも見られる。部屋は、会議室で使われていた「Genearl’s Rock」、オフィスの「Deer Lake」、食堂だった「Eagle’s Point」、武器倉庫兼インタビュールームに使われていた「The Commissioner」など、過去の部屋の使用用途を踏まえて全ての部屋のデザインが異なっているのが特徴だ。木のぬくもりを感じさせる部屋もあれば、白レンガの暖炉がある部屋(現在はインテリアのみで使用不可)などがある。レストランは天井がガラス張りになっており、満天の星空の下で食事を楽しめると香港市民や観光客の評判を呼んでいる。宿泊施設として充実させながら、宿泊者へのサービスもきめ細かく行い、いい思い出を作ってもらおうとする努力がうかがえる。

 HCFのDaryl Ngディレクターは「このような成果は、大澳の村民、ランタオのコミュニティー、香港行政府、旧大澳警察署の海上警察官、過去5年間迎え入れたビジターそれぞれの心からの支援がなければ不可能だった。これら全ては、地元文化遺産の保全に深くコミットし続け、香港の持続可能な観光を推進するよう、われわれを駆り立てている」と話す。

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