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香港に「ヘミングウェー」がテーマのバー メニューは特製カクテル9種のみ

落ち着いた配色に仕上げたバー内の様子

落ち着いた配色に仕上げたバー内の様子

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 アメリカの文豪、アーネスト・ヘミングウェーの作品「老人と海」テーマにしたバー「The Old Man」が8月17日、SOHO近く、ショッピングモールPMQのすぐ南側(Lower G/F, 37 Aberdeen Street, SoHo, Central, Hong Kong TEL: 2703 1899)にグランドオープンした。

カクテルの名前はヘミングウェー作品から

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 ヘミングウェーは「日はまた昇る」「誰(た)がために鐘は鳴る」などの名作を生んだほか、晩年は航空機事故の影響によるうつ病に悩まされ1961年にショットガンで自殺し、世界中の文学界に大きな衝撃を与えた。
 同店は香港初のヘミングウェーをテーマにしたバーで、店名は1953年にピュリツァー賞を受賞し、1954年にノーベル文学賞を受賞する作品群の一つ「The Old Man and the Sea」(邦題「老人と海」1951年)に由来する。

 3人で手掛ける同店。ジャカルタ出身のアグン・プラヴォ(Agung Prabowo)さんは2017年、「Drink Magazine Asia」でトップ10バーテンダーの一人としてランクインした実績を持つ。ジェームス・タマン(James Tamang)さんはバーテンダーの経験があり尖沙咀(Tsim Sha Tsui)ホテルのThe Miraのバーマネジャーなどをしていた。3人目はネパール系香港人のロマン・ガレ(Roman Ghale)さんは、The Landmark Mandarin Oriental、The Upper Houseなどの有名ホテルのフード&ビバレッジ担当だったほか、Cafe Gray Deluxeのシニア・オペレーション・マネジャーを務めていた。

 店舗面積は1000平方フィートで、席数は25席。加えて40人のスタンディングが可能だ。床には市松模様を施し、壁は木をふんだんに使ってぬくもりを感じさせるほか、椅子と壁の一部を薄い緑にして落ち着いた雰囲気を演出している。木の棚にはヘミングウェーの本を並べるほか、リキュール類を置く。バーテンダーが立つ後ろの壁にはヘミングウェーを模した絵を掲げる。

  店中央に置かれたバーカウンターは「H」の形をしているユニークさで、Hの左側の縦の線はバーテンダーがカクテルを作るテーブルやキッチンが、Hの右側の縦線と水平の「-」の部分周りにに椅子を置き、客がカクテルを傾けるテーブルとなる。店の壁沿いにもソファとテーブルを配置する。

 提供するのはオリジナルカクテル9種類のみ(各90香港ドル)で、ほかのアルコールやスナック類のメニューは一切ない。ただし、ウイスキーハイボールなどは作れるといい、メニュー以外のオーダーはバーテンダーに尋ねることができる。カクテルの名前はいずれもヘミングウェーの作品名を採用し、味も作品からインスパイアされたものだという。ヘミングウェーは武骨なアメリカ人の代表的な人物でもあったが、「No Suger、No Fancying」と甘い味で手の込んだものが好きではなかったことを踏まえ、ヘミングウェーの好みに沿った大人の味が中心となっている。メニューにも「彼はモヒートのファンではなかっただろうと信じられている。事実、彼はモヒートを試したことがない」と書かれているほどだ。

 例えば「A Farewell to Arms」(「武器よさらば」1929年)は、ジンをベースにぺルノーを加え、のりがグラスの表面にまぶされている。ヘミングウェーの出世作として知られている「The Sun Also Rises」(「日はまた昇る」1926年)は、リンゴ酒、ジンで浸したカレーリーフ、ライムなどで作るカクテルだ。ほかにも「Green Hills of Africa」(「アフリカの緑の丘」1935年」)はローズマリー味のピスコ(ペルーの蒸留酒)にターメリック、コーディアル、シトラスを加えたものに仕上げた。

 営業時間は17時~翌2時。日曜定休。

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