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中秋節が近づく香港各店が月餅販売 抹茶・ゆずなどバラエティー豊かに

京都で製造し、香港で販売する「中村藤吉」の抹茶月餅

京都で製造し、香港で販売する「中村藤吉」の抹茶月餅

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 今年は10月4日に中秋の名月=中秋節(Mid-Autumn Festival)を迎える香港で、中秋節に欠かせない月餅(Moon Cake)の予約や販売が本格化してきた。今年は以前にも増して、抹茶、ゆずなど多彩な味が販売されている。

各社趣向を凝らした月餅が。ハイアットリージェンシーはジンジャーポメロやチーズワインチョコも

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 秋の豊作を願う祭り事の一つが中秋節。「団圓節」とも呼ばれるが、それは中国では丸い月を一家団らんの象徴とし、家族が集まって月を眺めながら月餅を食べることによる。当日の夜にはランタンを持って歩く家族連れも多く見受けられる。

 外皮に餡を詰め、型押しをし、200度以上のオーブンで焼き上げた定番のものだけでなく、見た目はうずまきのパイ状になっている潮州スタイルの月餅もある。30年ほど前に香港の大手メーカー「大班(Tai Pan)」が開発した「冰皮」と呼ばれる月餅は、中身は蓮の実や果物を使うほか、油を使わず冷やして食べるタイプという、これまでとは全く異なる新しいスタイルで、このスタイルが最も人気が高い。アイスクリームの月餅も登場するなど、年々進化してきた。

 餡の味は、さらに多様化している。京都の老舗「中村藤吉」は2016年初めて抹茶味の月餅を販売したが、今年は前年と比べて1.5倍の濃度の手摘碾(てん)茶を使った月餅を販売する。9月5日まで中村藤吉香港店、中村藤吉香港店NEXT、新城市広場(New Town Plaza)、太古広場(Pacific Place)の各店で予約を受け付けている。価格は数などによって変わるが、定価は238香港ドル~488香港ドル。

 インターコンチネンタル香港内にあるミシュラン星の中華「欣圖軒(Yan Toh Heen)」ではゆずカスタード味月餅の予約を受け付けている(1個88香港ドル)。「重く甘くてしょっぱい食べ物」という印象を持たれがちの月餅を、カスタードのゆずで比較的さっぱりと食べられるようにしたという。卵とはすの餡を使ったスタンダードな月餅(4個688香港ドル)なども販売する。

 ハイアット・リージェンシーでは「迷●柚子糖月餅(Mini Ginger Pomelo Mooncake)と「迷●五糧液朱古力月餅」(Mini Chinese Wine Chocolate Mooncake)を販売(いずれも6個入り338香港ドル)。IFCモールに入っている国金軒(Cuisine Cuisine)では8個入り398ドルでローズピューレが入った月餅を売るなど、各中華料理店とも趣向を凝らす。

 スターバックスは、新開発したバニラ、カスタード、アールグレーと、前年まで好評だったチャラメルラバ&コーヒー味を3種類の味がセットになった月餅を販売(278香港ドル)。有名人では肥媽の愛称で有名な歌手、Maria Corderoさんが「肥媽月餅(Maria’s Mooncake)」として、ゆず、小豆入り緑茶など8種類の味がセットになったものを288香港ドルで、化粧品などを扱う卓悦(Bonjour)などで販売を始めた。

 事前に予約する場合、定価より安く購入できるケースが多い。

 迷●=にんべんに尓

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