
台湾・新竹発の牛肉麺専門店「段純貞(Duan Chun Zhen)」(Shop 2132, 2/F, ELEMENTS, 1 Austin Road West, Kowloon, Hong Kong TEL 2196-8055)が7月18日、九龍駅直結のショッピングモール「ELEMENTS」に新店舗をオープンした。経営はCafe Deco Groupで、2020年に香港市場への参入以来、灣仔、旺角、黄竹坑などに展開し、同店が5店舗目となる。使う香辛料は23種類。台湾の伝統的な味覚を香港で体験できるカジュアルなレストランとして認知も広まってきた。
創業者の樊廣志さんが亡き祖母、段純貞さんにちなんで名付け、台湾の新竹で開店した同店。1945年に中国四川省から台湾に移り住んだ祖母・段純貞さんの四川料理の技術と人柄に敬意を表し、2007年に創業した。台湾に11店舗、香港に5店舗、米カリフォルニアに2店舗を展開している。新竹空軍基地の外省人が居住する地区「眷村(けんそん)」の自転車屋台で豆板醤(トウバンジャン)や滷味(ルーウェイ)などの煮込み野菜を売って生計を立てていた記憶が、ブランドの原点となっている。
ELEMENTS店は映画館の隣に位置し、天然木材と竹を活用した温かみのある内装が特徴。80席を備え、ビジネスマンや映画を見に来た人たちも気軽に立ち寄れる店を目指す。
段純貞の牛肉麺は、四川料理や台湾料理の料理哲学「温而不火、油而不膩」を追求した「深みのあるスープ」が特徴だという。牛肉麺のスープや具材は、温かく、じっくり火を通すが、強火で煮立たせず、崩れや香りの飛びを防ぎ、「油のコクはあるが、重くなく、さっぱりした後味に仕上げる」という。
牛脂を23種の香料・薬膳と共に炒め、さらに牛骨スープで18時間以上煮込む製法で、「香りとコクが重なる味わいを生み出す」という。麺は手作りの手工麺または細麺が選べる。
定番人気は、牛腱心(牛スネ)、牛肚(ハチノス)、牛筋(牛スジ)を一皿で楽しめる「三寶麺(94香港ドル)」や、クリアスープの「清燉牛肉麺」(82香港ドル)。トマトの酸味と牛のうまみを合わせた「燉番茄腱心牛肉麺」(92香港ドル)などもある。鶏をベースにした清湯麺もあり、「濃湯燉鶏麺」「胡椒湯酸菜鶏麺」(以上88香港ドル)などは「体も温まる」という。
台湾夜市風のサイドメニューも豊富にそろえた。宜蘭県三星郷で栽培される白ネギ「三星葱」をたっぷり使った「三星葱肉鍋餅」(48香港ドル)や「鹽酥鶏」「酥炸排骨」(以上48香港ドル)はシェアに向いている。四川の味を受け継ぐ「紅油抄手」(68香港ドル)、「麻辣鴨血冬粉」(88香港ドル)なども、創業者の祖母のレシピにインスパイアされた一品になっているという。
平日の昼時にはランチセット(118~158香港ドル)も用意。「濃湯燉鶏麺」「台式肉燥飯」などの主食に、小食(鍋貼、排骨、鹽酥鶏から選択)と台湾茶をセットで提供する。飲料にはショウガや黒糖で作る「薑母茶」、冬瓜と黒糖や氷砂糖で作る「冬瓜茶」乾燥させたショウガを使う「乾薑水」など、台湾ならではの「体を温める」ドリンクをそろえる。
営業時間は11時30分~22時。