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シティスーパーで恒例の酒フェア-18の蔵元が成熟市場の香港で売り込み

銅鑼湾タイムズスクエア店では試飲をしながら直接蔵元に話を聞くことができる

銅鑼湾タイムズスクエア店では試飲をしながら直接蔵元に話を聞くことができる

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 香港に4店舗を構える高級スーパー「シティースーパー(city’super)」は3月13日、毎年同時期に開く恒例の酒フェアをスタートした。今年は15回目。

オープニングセレモニーに出席した蔵元各社の面々

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 今年も例年同様、日本各地の蔵元が来港し、銅鑼湾タイムズスクエア店を中心に、蔵元自ら店頭に立って酒のレクチャーを行いながら販売する。今年も「久保田」「八海山」をはじめ、「出羽桜」「獺祭」など、18の蔵元がそろって熱心に販売している。

 この15年で大きく成長した香港の日本酒文化。「売り上げは販売当初より毎年8%前後ずつ伸びている」と言い、同フェアの販売本数も2009年の4457本に対し、昨年は7713本を記録した。1本(720ミリリットル)が100香港ドル台後半のものから1500香港ドル程度のものまでを扱い、同フェアでは19酒造124アイテムを並べ、通常より5%程度割引して販売する。

 「今年の注目は生酒」とシティースーパーで酒部門を担当する沼田まどかさんは、同フェアの見どころについて話す。冬に造り、火入れの工程を省いたフレッシュな生酒は数が限られるということもあり、テイスティングをした香港ローカル媒体記者にも高評価だった。

 海外を回る旭酒造「獺祭」の副社長、桜井一宏さんは「香港は値段の差も含め、さまざまなタイプのものが売れる市場」と話し、「この形が海外展開の理想形」と香港市場を分析する。「出羽鶴」の秋田酒造を担当する伊藤明子さんも「どれが辛いか、飲みやすいかという嗜好(しこう)の個人差がある質問でなく、具体的に白身魚と合うものは?揚げ物の時はどれがおすすめか?など質問をしてくれるため提案しやすい」と話す。

 シティースーパーは酒の販売だけでなく、サプライヤーとしても香港内約500店舗に酒を納品する実績を持つ。「久保田」「八海山」はアルコールの定番メニューとして定着するまでになったが、「久保田」を販売する朝日酒造の三条正道さんは「まだまだ香港市場には伸びしろがある」とも。「玉川」を醸造する木下酒造社長の木下善人さんは「酸味の強い山廃仕込みの吟醸酒をインパクトの強い中華料理に合う酒として提案したい」と意気込む。

 フェア期間中の16日には、同スーパーカルチャークラブ内で酒とつまみのペアリングイベントを開催。ほかにも平行して、蔵元が参加するイベントを中環の「酒バー吟」や「ZUMA」でも開く予定。

 14日~16日の3日間はタイムズスクエア店で在庫がある限り試飲が可能。会期は3月26日まで(銅鑼湾タイムズスクエア店のみ23日まで)。

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