日本人も多く住む香港島東部の西湾河(Sai Wan Ho)のタワーマンション・グランドプロムナード前(Shop GB17 , G/F., 45 Tai Hong Street, Lei King Wan, Soho East, Sai Wan Ho, Hong Kong)に7月16日、日本食材を中心に扱う小売店「道の駅」がグランドオープンした。
ほかの日系のスーパーではなかなか手に入れることのできない日本の食材を数多く扱い、6月末のソフトオープン時から口コミで評判が広がり、元朗から買い物に来る客がくるなど早くも人気を集めている。
同店を運営する日中物産(香港)のグループ会社・和光不動産は、香港在住日本人を対象に数多くの不動産物件を紹介している。事業の多角化の一環として小売店を始めた。「当初はネットを使って日本のものを中国本土に、中国の商品を日本にと考えていた」と話す劉達偉(Louis Lau)董事総経理。しかし、「知り合いの日本人弁護士から香港マーケットから初めて、それから中国本土に進出しても十分というアドバイスがあり、香港からスタートすることにした」という。
商品は、商品を売りたい業者が陳列棚を借り上げ、道の駅のスタッフが販売するビジネスモデル。当初はコストを考え実店舗を持つことは想定していなかったが、「さまざまな事業者が出店する展示会で商品説明を受けると、どの商品にもストーリーがあり、話を聞く度に感動した。でも、香港での販売や進出となると中小企業では難しい面があり、そこで終わっているところが多く、もったいないと感じていた」と話す。
中小企業は大手のスーパーにはなかなか相手にしてもらえないケースがあるが、ここであれば少量のロットで販売の機会を得ることができ、アンテナショップ的な位置付けにもなる。進出したい企業にとってはワンストップで全てが完結し、同店にとっては商品を販売することができ、消費者は珍しい商品が買える状況となった。
同社は不動産を扱っているため、以前よりアンテナショップ開業を希望する企業の引き合いが多かったが、条件が合わず断念したケースが多かったといい、そういった背景も実店舗を持つ後押しとなったという。
西湾河にした理由について、世良田紀子・董事総経理は「ここは日本人も多く、香港人やほかの外国人の裕福層も多い。店の周辺には駐車できるスペースが多い」と話す。
商品は、北海道の羊蹄山産のメロン(285香港ドル)、山梨産の桃(2個70香港ドル)、熊本産のトマト(25香港ドル)など新鮮な野菜が並ぶ。「月2回の入荷だが、人気コーナーでもあり、鮮度の問題もあるものの、輸送の頻度を上げるよう交渉中」という。ほかにも大阪のたこ焼きメーカー「たこ昌」が販売するたこ焼き(10個75香港ドル)、明石焼(8個75ドル)は海外での販売は同店が初めてで、東京でも販売していない商品も並ぶ。日本各地の、肉、魚、日本酒、菓子類をはじめ、積み木、保湿クリームなど食品以外の商品も販売しているのも特徴だ。
営業時間は10時~22時。