焼き鳥居酒屋「鳥貴族」が12月16日、香港初の店舗を屯門市広場(Shop 1108-1111, 1/F, Tuen Mun Town Plaza Phase 1, 1 Tuen Shun Street, Tuen Mun)にオープンした。初出店は香港の郊外エリアとなる。国内では現在640店舗を展開する鳥貴族だが、香港市場については四洲集団がフランチャイズ経営する。
メニューは日本のものを踏襲し、焼き鳥と居酒屋文化を「手の届きやすい価格」で提供する。専用のグリル器具を日本から直輸入し、香港店を担当する調理メンバーも日本で研修を受け、水分を閉じ込め、温度を正確にコントロールする焼き鳥の技を磨いたという。
2000平方フィートの広さを誇る新レストランは100人近いゲストを収容でき、2人~6人で座れる席を用意した。手羽先、レバー、ハツ、砂肝など、多彩な鶏串を用意する。串メニューの価格は日本では370円のところ、香港では29.9香港ドル(約600円)に設定した。
香港開店のために来港した大倉忠司社長は「その土地ごとにリーズナブルな価格はどのくらいかという点を軸に価格設定した」と話す。タレや塩、スパイシーな調味料も使う。焼き鳥のほかにも、前菜の小鉢は味付け卵や枝豆、タコワサなどを19.9香港ドルで用意。ほかに一品料理としては、明太子ポテトサラダやフライドポテト、軟骨の唐揚げやチキン南蛮なども並べる。北海道産米を使う「鳥貴族釜めし」や「鶏白湯ラーメン」などの締めのメニューは29.9香港ドルに設定し、19.9香港ドルで白米と温泉卵、鶏スープなどが付く。ドリンクはサントリーのプレモル、レモンサワー、ジンビームなどがMEGAでも通常サイズでも29.9香港ドルに設定した。
今回四洲集団をパートナーに選んだ理由について、大倉社長は「四洲集団は森永製菓、グリコ、明治製菓、カルビーなどコンフェクショナリーメーカーのパートナーとしての長い歴史がある。成長させていく上で一番大事なことは信用」と話す。香港経済の景気があまりいいとは言えない状況が続いているが、「われわれはデフレの勝ち組として戦ってきた。逆に下降しているときはチャンスと捉えている」と強気な姿勢を見せる。「四洲集団と一緒に香港では2桁の店舗を目指したい」と話す。「香港は東アジアの中心。物価も高く、富裕層も多い。そして活気がある」とも。さらに今後の中国本土への進出については、「リスクがあることも分かっているが、上海に子会社も作り、挑戦していきたい」とも話す。
四洲集団の戴進傑執行董事は「当社は50年以上日本の飲食文化に携わってきた。日本で非常に人気がある鳥貴族のブランド、大倉社長の経営理念、素材へのこだわりを尊敬している。弊社と鳥貴族は共通の経営理念をもっていると考えている。われわれを選んでくださったことに感謝する」と述べた。
営業時間は11時30分~22時。