
台湾でミシュランビブグルマンを6年連続で獲得するガチョウ料理「阿城鵝肉」(Shop G254, G/F, Phase 2, Amoy Plaza, 77 Ngau Tau Kok Road)が3月28日、九龍湾のアモイプラザ(淘大商場)にオープンした。香港の店舗はフランチャイズ経営する。
台湾の雑多なローカル店というより、カジュアルながらもポップな印象に仕上げた香港の店内
同店は1990年、タクシー業界で働いていた蔡芳城(通称=阿城)さんが台湾の蘆洲區でガチョウ肉の屋台の店主と偶然出会ったことに始まる。家族や友人の励ましもあり、転職し、師匠からガチョウ肉料理の神髄を学んだ。50万台湾ドルの創業資金を元に店舗物件を探したが家賃や交通の便で苦労するも、現在の台湾の新北市に属していた土城郷に朝食の店を見つけた。
20年以上の歳月を経て、阿城鵝肉は台湾で「本物の台湾ガチョウ肉料理」をメインとする有名なブランドとなった。独特のスモーキーフレーバーを漂わせる「煙燻鵝」をメインに据える。
香港の店は台湾のような雑多なローカル店というよりは、店内の装飾も香港の市場で使われている電気をモチーフにデザインしたり、椅子のシートにも赤を採用したりするなどカジュアルながらもポップな印象に仕上げた。量は台湾と比較すると少なめであるものの、提供する皿なども「福」の文字がデザインされたものを採用したり、オーダーもQRコードでサービス料をなくすなど、若者層も意識したという。店内中央に6人がけのテーブル席2卓を設け、それ以外は2人や4人席など合わせて32席程度を用意した。
阿城鵝肉の看板料理であるガチョウの燻製(くんせい)「煙燻鵝」は、何十年も続く定番料理。ガチョウを独自の製法で燻製にし、「皮はパリパリ、肉はジューシーで、軽いスモーキーな香りが漂う」香ばしい風味を生み出している。台湾の店舗と同様に、脂身が少なく、しっとりとした食感の 「前半段」(むね肉)とジューシーで歯応えのある食感である「後半段」(もも肉)を選ぶことができる。サイズは、大(159香港ドル)、小(89香港ドル)、1羽の半分をさばいた半隻(289香港ドル)に設定した。
塩ゆでしたガチョウ肉である「白●水鵝」は、「ほどよい塩気がガチョウ肉の新鮮さを際立たせ、そのままでもソースにつけても楽しむことができる」という。
サイドメニューも用意。「麻辣血」(69香港ドル)は、香港ではニラとあわせ、アヒルの新鮮な血を数十種類の漢方に漬け込む。アヒルの血の食感は豆腐のようだが、アヒルの血特有の弾力と硬さを味わうことができる。
ソーセージの盛り合わせ「香腸併盤(杏鮑●/檸檬/辣味)」(89香港ドル)は、黒豚肉と新鮮なアワビキノコを6:4の「黄金比率」で組み合わせて作る。スパイシーフレーバーは重めの味を好む客のために開発し、台湾南部のセレクトした天然の生唐辛子をブレンドしている。「肉汁の甘みの後に、天然唐辛子の力強さが追いかけてくる」という。
ほかにも紹興酒を漬け込んだアワビ「花雕醉香鮑魚」(59香港ドル)や、野菜を長時間煮込んで作るスパイシー臭豆腐「麻辣臭豆腐」(89香港ドル)なども用意した。
炭水化物は麺や米を用意するが、ガチョウ油ご飯「鵝油併飯」がよく知られたメニュー。炊いた米にガチョウの油をかけたものだが、米に香りがつくものの油っぽくはなく、スモークガチョウ肉と組み合わせて注文することが多い。
営業時間は11時30分~21時30分。
●=草かんむりに姑、●=さんずいに鹵。