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香港立法会、ホンハム駅とその周辺海浜エリア一帯の再開発を話し合い

立法會へ提案資料内のホンハムエリアの開発予想図©發展事務委員會

立法會へ提案資料内のホンハムエリアの開発予想図©發展事務委員會

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 立法会発展事務委員会が4月29日、ホンハム駅(Hung Hom Station)とその周辺、南側にある海浜エリア一帯の再開発について討議を行った。計画では、230メートルの高層ビルやそれを生かした空中散歩ができるアトラクション、ショッピングモール、住宅の建設、ヨットの停泊施設などの建設が計画されている。

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 現在ホンハムは、MTR東鉄線(East Rail Line)を敷設したことでホンハム駅南部のあった多くの建物が移転したり取り壊しになったりしたため、空き地になっている場所が多い。ホンハム駅は深センとのつながりが密接である駅であるほか、屯馬線(Tuen Ma Line)が通過し、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)と隣接していることから、再開発によって一体化が進めば、観光客を多く呼び込め、地域の活性化を狙うことができる。

 開発エリアは24ヘクタールで、うち10ヘクタールが水上部分。陸上部分では57%をホテルや小売り用に、40%を住宅用に配分したいと考えている。

 計画では、まず、高さ90~105メートルのビルを建設し、そこには1300戸分のマンションなどを建設。国際郵件中心(International Mail Centre)跡地には、高さ230メートル、50フロアの高層ビルの建設を予定。高層階には飲食、展望台のほか、ジップライン、空中散歩を体験できる施設を設けるとしている。この位置からであれば、花火大会開催時の絶好の鑑賞ポイントになると見られている。

  ただし、一部議員からは、西九龍(West Kowloon)にある環球貿易広場(ICC)にある展望台「天際100(Sky100)」の集客がうまくいっていないことから、新しい高層ビルの計画が成功するのかどうかを心配する声も上がった。ICCのアクセスの悪さが起因しているのではないかという声を受け、発展局は、立体駐車場の用地を確保するだけでなく、さらに900台分の駐車スペースを追加し、うち200台は住宅用に充てる計画があることを明らかにした。

 海浜エリアの尖沙咀東からホンハム南部までは既に歩行者用道路が整備されているが、一部、埋め立て工事をしながら全長180メートルに及ぶ「水」をテーマにしたプロムナードとして生まれ変わらせる。

 プロムナードに接続する形で200隻分の停泊施設を設ける。南Y島(Lamma Island)、香港仔(Aberdeen)など、香港には9カ所のヨットハーバーがあるが全体で2000隻分しかない。香港全体では今後、1万隻以上の需要があると見込まれており、それに対応するものと考えている。水上レクリエーション施設も併設する。加えて、このエリアに桟橋の跡地があるが、ここを再整備し2026年の第1四半期に何らかの形でオープンさせたいとする。全てがスムーズに進めば2035年に完成するとしている。

 この開発計画とリンクするのがホンハム駅と香港体育館(Hong Kong Coliseum)の周辺開発で現在、ホンハム駅西側に海底隧道(Cross Harbour Tunnel)を通過して香港島に向かうためのバス停があるが、このバス停の上部を覆う形の建築物を建設する。バス停は事実上天井付となり雨風がしのげるほか、エアコンが備え付けらえた待合室も設置。建物上部は連絡通路として機能させるほか、ショッピングエリア、タクシー乗り場としても開発する。

 駅の北側と東側には緑豊かな公共のオープンスペースを作り、市民の憩いの場を作る。コンサートの前後はファンが交流する場とすることも想定している。政府は、香港体育館で予定されているコンサートには影響を与えないようにして工事を行うとしている。

 ホンハム駅と尖沙咀東の間には歩道橋があるが、天井をガラス張りに変える。この歩道とその北側にある香港理工大学(The Hong Kong Polytechnic University)とホンハム駅を結ぶ歩道橋の両方を拡幅する予定。同エリアは遅くとも2037年までの完成を目指す。

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