
銅鑼湾で高層階はビクトリアハーバーが望める飲食店が入居するミッドタウンに7月15日、四川料理店「紅粧蜀語」(27/F, Soundwill Plaza II, Midtown, 1-29 Tang Lung Street, Causeway Bay, Hong Kong TEL 9370-6345)がオープンした。
「四川料理は辛い」という固定観念を打ち破ることを目標に掲げる同店。「塘西風月」と呼ばれた1930年代に香港・石塘咀地区にあった歓楽街をイメージし、2000平方フィートに約76席を配置した。店内は、天井からつるされた中国風のちょうちん、ネオンサイン、ダークウッドのテーブルと椅子などを配し、当時の雰囲気を再現しているという。柔らかなオレンジレッドの照明が、にぎやかな雰囲気を演出し、壁には四川風の壁画も配した。
四川料理のパイオニアとされる胡太清シェフと、尖沙咀の「雲陽」、中環の「亮明居」、灣仔の「四川樓」など、香港でトップクラスの四川料理レストランでかじ取りをしてきた陳啓徳シェフが指揮を執る同店は、高級四川料理を身近で手頃なものに再定義した。陳シェフは「四川料理は、新鮮で、まろやかで、同時に濃厚であり、その料理哲学を料理に込めた」と話す。
四川省と重慶から取り寄せた食材を使い、四川料理が単に「麻辣=しびれや辛さ」だけの料理だという一般的な概念を打ち破り、「四川料理の伝統の深みと複雑さを際立たせるメニュー」を用意。四川の味の奥深さには、3000年以上にわたる香辛料と調味料の歴史がある。香りのベースである「三椒三菜」、つまり、ファージャオ(花椒)、唐辛子(辣椒)、ブラックペッパー(こしょう)と、ネギ、ショウガ、ニンニクの組み合わせで、24種類の古典的な四川料理の味を作り出す。
メニューには、全部で40種類以上の四川産のスパイスやハーブを使い、冷菜、スープ、定番メニュー、デザートなど、それぞれに四川の風味を繊細に表現したという。
冷菜には、マテ貝のすり身に特製ソースをかけ、スパイシーな風味を加えた「薄荷椒麻蟶子皇」(2個、178香港ドル)がある。成都のつまみである牛の内臓系などの部位を使う冷菜「滋味夫妻肺片」(128香港ドル)は、さまざまな肉の部位をスライスし赤油を加え、四川の酢で味付けし、辛みだけでなく、酸味を加えている。
肉料理「岩鹽燈影牛肉」(168香港ドル)は、岩塩を一つまみ使い、薄くスライスした牛肉の甘みと辛みを引き立てる。「藤椒乳鴿」(98香港ドル)は、ガルシニア・カンボジアのオイルで味付けしたもので、香ばしく、ほのかなしびれがあり、ハト肉の柔らかさを特徴とする。
ホタテやマツタケを使う「松茸瑤柱響螺頭」のほか「羊肚菌燉花膠老鶏」(以上、1人前168香港ドル)は、「モリーユ茸の豊かな風味と魚の浮き袋の食感、鶏のエキスが詰まったメニュー」となる。
燻製(くんせい)したうなぎメニュー「辣子通心燻鰻」(388香港ドル)や、アヒルの血、ハチノス、ランチョンミートを使ったスパイシーな四川の屋台料理「毛血全家旺」、ロブスターの麻婆豆腐「麻婆豆腐龍蝦」(以上338香港ドル)などの辛さを際立たせたメニューもそろえる。
エビのすり身を使う「宮保脆茄蝦球」(288香港ドル)は、「外はカリカリ、中はトロトロ」に仕上げ、こしょうを利かせたホイコーロー「豌豆●回鍋肉」(158香港ドル)も四川スタイル。アンガスビーフを使う「成都水煮安格斯牛」(288香港ドル)にも、濃厚で辛く風味豊かなソースを合わせた。
営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=17時30分~翌2時(日曜・祝日は翌1時まで)。ランチメニューの提供開始は8月上旬以降に予定している。
●=豆へんに支。