日本政府観光局(JNTO)香港事務所は8月2日、香港での訪日時のレンタカー需要を背景に、灣仔のザ・ハーバービュー・ホテルで一般消費者向けのレンタカーセミナーを開催した。
香港では大手旅行会社EGLが7年前からレンタカーについてのセミナーを開催し、カーナビの習慣がない香港市場に向けて使い方を説明するセミナーなどを開催した経緯があるが、同所がセミナーを開催するのは初めて。参加したのは定員いっぱいの150人。事前に約13万3800人のファン数を抱えるJNTO香港のフェイスブックページで告知したところ、3時間で予定人数に達し、その後もキャンセル待ち希望の連絡が入るなど香港消費者の関心が高かったという。
前半はトヨタ自動車の島田祐介さんが、レンタカーを借りる際の手順や車種の選び方をはじめ、交通ルールや標識などを解説。日本の「徐行」など、香港での交通標識と違うものなどを例を挙げて説明し、クイズなどを交えながら日本で安全に運転ができるようにレクチャーした。
参加者はその多くがすでに具体的な日本旅行の計画を立てており、各エリアのアップダウンを含む道路状況やチャイルドシートの着用義務についての質問などが相次ぐなど、レベルの高い内容となった。冬に計画中の北海道旅行に向けてスタッドレスタイヤとチェーンの違いを質問する人や、言語の不安から同社のサイトでの予約完了画面のプリントアウトを見せて再確認する人も。参加者の一人は「今年は九州・軽井沢とすでに2回日本旅行をした」と話し、「香港の運転は乱暴な人が多いが、日本だと安心して運転することができる」と日本でのドライブの魅力を語る。
日本と同じ右ハンドル左側通行の香港では、運転免許取得者数180万人に対して自家用車の台数は約50万台と数に開きがあるという。そうした潜在需要に目を付け展開してきた「レール&ドライブ」施策は功を奏し、トヨタレンタカーでインバウンドを担当する坂本徹さんによると「当社の数字だけでもここ数年は前年比100%増を記録している」という。
そのほか、今年の重点デスティネーションである「中部地区」にフォーカスし、地元旅行誌「新假期」の記者や人気ガイドブック「スカイパブリッシング(長空出版)」の社員が中部旅行の魅力や自社アプリの説明などを行った。会場には香港の旅行会社ブースが設置され、熱心に質問をする参加者の姿も見られた。