見る・遊ぶ 暮らす・働く

世界に知られる香港人デザイナー・アラン・チャンさんが日本テーマの個展

会場にも足繁く通う香港人デザイナーのアランチャンさん

会場にも足繁く通う香港人デザイナーのアランチャンさん

  • 0

  •  

 香港が生んだ世界的デザイナーである陳幼堅(Alan Chan)さんは現在、中環のPMQのグッドデザインストア内で日本とのつながりをテーマした展示会「我的日記/MY JAPLAN」を開催している。

アランさんが日本との関わりをまとめた本も販売する

 チャンさんはロゴ、文房具、時計、インテリア、商品のパッケージ、ポスターなどの多岐にわたるデザインを手掛け、日本との関係も深い。1950年生まれのチャンさんは1970年から1年間、First Institute of Art and Designで商業デザインを学び、広告会社などに入社。トヨタやキャセイパシフィック航空などを担当。その後、1980年、妻のサンドラさんと一緒にAlan Chan Design Companyを設立した。

[広告]

 「初めての日本体験は1975年。5日間の日程で朝から晩までスケジュールが詰まった典型的なツアーに参加した。それが初めての飛行機体験」と懐かしそうに語る。「日本の文化は当時から香港に浸透していたから、カルチャーショックはなかった。広々とした道、サービスの質、富士山。どれもが印象的だった」と続ける。

 たくさん訪れた日本の中でも京都は「ダイスキ」と日本語で答えるほどお気に入りの場所だ。歴史がありながら、モダンでもあり街でもあり、自然もあるところが良いと言う。こういったところから刺激を受け、作品に反映させてきたという。

 チャンさんがこれまで手掛けてきたプロジェクトは、三井住友銀行(SMBC)やカップ麺のラ王のパッケージなど、香港ではシティスーパーのロゴなどを手掛けてきた。日本での最初の仕事は1987(昭和62)年、西武百貨店で行われたイベント「Hello Hong Kong」。それが1990年の香港西武のパッケージングの仕事につながり、香港西武の日本人スタッフが中心となって創業したシティスーパーでのロゴ作成につながった。

 今回の展示は、チャンさんがGood Design Storeが好きでよく店を訪れていたことがきっかけ。「日本との関わり合いは約30年、いろいろな人に私の日本での仕事ぶりを知ってもらうことができ、私自身もこれまでのプロジェクトを振り返るいい機会となった」。展示会場には透明なタワーに、チャンさんが集めた日本関連のコレクションを並べて作ったが富士山をイメージしたものも。

 日本との歴史をまとめた冊子「我的日記/MY JAPLAN」(380香港ドル)も販売している。厚さ9センチにも及ぶ分厚い本は、写真をふんだんに掲載。「デザイナーとしては心の声が大事。本当にやりたいのか、何か感じるものがあるのかなど。そういったことを感じられなければならない」と話すチャンさんは、香港のデザイン文化や今後について「昔の香港の海岸線には上海の外灘のような美しい建物が並ぶところだったが、現在は建物を壊しては新しい高層ビルを建築してきてしまったのでいい雰囲気がなくなった。このPMQもPMQ自体はうまくブランド化できたが、中に入っているテナントは苦しい経営をしていることも少なくない。新しいデザイナーをサポートしようと考えて作られた施設なのに」と自分の考えを話す。

 「PMQがPolice Married Quartersの略称だと知っている人がどれだけいるか? この建物の歴史に関心がある人がどれだけいるか? 香港人はもっとそういったところに感謝や評価する気持ちを持つべき」と嘆く。「だからこそ、私もそういったところを正しく評価してするような土壌を香港につくっていきたい」と、トップデザイナーとしての責任感をのぞかせる。

 一方、日本については「日本人は目標を定めたら、そこに向かっていちずに進んでいけることは素晴らしいが、外国語でのコミュニケーション能力を上げていかないと、国際化が進むこれからの時代は厳しくなる」と率直な意見を語った。

 開催時間は12時から20時まで。入場無料。2月20日まで。