中環(Central)のフェリーふ頭すぐ南にあるハーバーフロントにある特設会場で3月21日、芸術の展示会「アートセントラル」(Central Habourfront, 9 Lung Wo Road, Central, Hong Kong)が始まった。今年は開催期間が1日延び、前日の開幕式「First Night」を含めると計6日間の開催となる。
23年連続で経済自由度指数ナンバーワンに輝く香港は、グローバル化の恩恵を受けて香港全体の生活レベルが底上げされた。それに伴い、裕福な香港人はこれまで香港のアートの世界をけん引してきた香港西洋人社会のアートイベントにさまざまな形で参加するようになったほか、生活に余裕ができてきた中間層もここ数年、芸術イベントを楽しむようになっている。
アートセントラルは2012年まで開催されていた「Art Hong Kong」と同じ西洋人の発起人が新しく立ち上げたもの。同じ芸術のイベントで今年5回目を迎えた「アートバーゼル」(3月23日~25日)と同時期に開催し、その一部を共同でプロジェクトとして実施。春の香港は「芸術の月」と認識されるようになった。今年から香港で4つホテルとサービスアパート1棟を経営する「ovolo HOTELS」が公式な宿泊施設となり、2016年は3万2000人が来場したが、海外からの来場者を増やすことで前年を上回る入場者数を狙う。
期間中、1万平方メートルという広大なスペースに世界中100のギャラリーが集まる。会場は6つのカテゴリーで展開。「Talk×Asia Society」では3月24日14時から、美術家で写真家でもある杉本博司さんによるトークショーを予定。「Tours×Scad」は1日2回(12時30分~と15時~)、アートセントラル会場内を巡る無料のツアー。「Media×Mumm」は世界にあるギャラリーが保有している動画を見せるもので、絵や像という制止しているものだけではなく動画という動く芸術について理解を深めてもらおうというもの。「Performance×4A」では芸術家がポートレートを描いたり、会場でダンサーがパフォーマンスを繰り広げたりするもの。中でも、ロンドン在住のサウンド・アーティスト、ユズキユウリさんがスワロフスキーで作られたクリスタルを使った音のパフォーマンスは注目を集める。6人の芸術家を重点的に紹介するのが「Projects」、最後は「Hong Kong Art Week」で、香港各地のギャラリーごとにイベントが開かれる形式を取る。
日本からも東京の「アートフロントギャラリー」や「Sakurado Fine Arts」などが所有する作品の出品も予定する。
会場では食事サービスも充実させる。ダイニングエリア「STREET FOOD CENTRAL」には、上環(Sheung Wan)にあるヨーロッパ料理を提供するビストロ「PHILIPPE ORRICO PRESENTS LE MARCHE」、大きめのハンバーガーで知られる「Beef & Liverty」、東南アジア料理「Mrs. Pound」など8つのレストランが出店するほか、バー「FERNET HUNTER BAR」も併設する。
入場料は、21日~24日=大人230香港ドル、最終日(25日)260香港ドル。開催時間は、21日・22日=12時~17時(23日=21時まで、24日=19時まで)。最終日(25日)=11時~19時。20日のFirst Nightは17時~21時で、チケットは年齢制限無く500香港ドル(ドリンク1杯付き)。