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香港国際空港、2024年貨物取扱量で世界一に 物流ハブを証明

国際空港評議会が2024年の世界の航空貨物取扱量ランキングを発表、香港国際空港が1位に

国際空港評議会が2024年の世界の航空貨物取扱量ランキングを発表、香港国際空港が1位に

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 カナダのモントリオールに本部を構える国際空港評議会(ACI)が4月14日、2024年の世界の航空貨物取扱量ランキングを発表した。1位は香港国際空港(HKIA)で、前年比14.1%増の493万8211トンだった。トップに立つのは2010年以降では14回目となり、依然として物流のハブであることを証明した。

香港国際空港の航空貨物取扱量は前年比14.1%増の493万8211トン

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 ACIによると、2024年の世界全体の航空貨物量は同8.4%増の1億2400万トンを超えると推定。コロナ禍が発生前の2019年と比較しても3.9%増で、コロナ禍以前の水準を超えたことになる。2023年の実績では2019年比で9.9%減だったことから、2024年は世界情勢が不安定だったが、コロナ禍の影響から完全に脱却した一年だった。

 増加した理由についてACIは、ECサイトによる取引の増加、海上輸送の混乱、ジェット燃料価格の下落により航空貨物を選択する人や企業が増加したためと分析している。

 1位のHKIAは、2019年と比較しても2.7%増で、世界と同じくコロナ禍の影響を払拭した。機場管理局(AA)の李佳蕙(Vivian Cheung)CEOは「長年にわたり、コンスタントに世界で最も取扱量が多い空港であることを誇りに思う。これは、革新に努め、貨物サービスを向上させるというAAのコミットメントを証明するもの。今後も航空貨物業界と協力し、かつHKIAのユニークな利点を活用することで、世界経済の不確実性と挑戦の中で回復力を強化し、世界有数の航空ハブとして強化を図っていく」と話す。

 2025年は、昨年11月28日に供用を始めた第3滑走路の好影響が数字に反映されることがプラス要因となる。一方、HKIAはアメリカと中国の貿易の中継機能を持つことから、関税戦争が続いた場合は取扱量が減少することも予想される。アメリカは小包など輸入品の金額が800米ドル以下の場合は関税を免除してきたが、トランプ政権は香港と中国本土からの輸入品は、5月2日からこの措置の適用外とすることを決定。これを受けて香港郵政は、アメリカ向け小包の発送の停止を決めたことから、2025年のランキングでも1位を維持できるかどうかは不透明な状況となっている。

 2位は上海の浦東国際空港で前年比9.8%増、2019年比4.0%増の377万8331トンだった。3位は米テネシー州にあるメンフィス国際空港で前年比3.3%減、2019年比13.2%減の375万4236トンで、ベスト10の中で唯一、前年比と2019年比がマイナスとなった。なお、メンフィスは世界的な国際貨物輸送会社フェデックスが本社を構えている。

 4位以下は、米アラスカ州のテッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港、5位は米ケンタッキー州のルイビル国際空港、韓国の仁川国際空港、7位は米フロリダ州のマイアミ国際空港、8位はカタールのドーハにあるハマド国際空港、9位は広州の白雲国際空港、10位は台北の桃園国際空港だった。

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