
日本で独自に発展したイタリア料理「イタめし」から着想を得たパスタバー「Zozzona(ゾッツォーナ)」が9月18日、尖沙咀の山林道(29-31 Hillwood Road, Tsim Sha Tsui, Hong Kong)にオープンした。
店名の由来となっている「リガトーニ・アッラ・ゾッツォーナ」(158香港ドル)
店が位置するヒルウッドロードは、かつては日本人も多く住んだ歴史がある。1970年代以降尖沙咀エリアに日本企業の駐在員や観光客が増えた際、山林道周辺に高級日本料理店や居酒屋が集まり、「日本食街」として知られるようになった。今も和食店は残っているが、韓国料理や中華、バーなど多国籍な飲食店が並ぶ「尖沙咀の飲食ストリート」として地元民、観光客のほか、クリエーターやセレブの姿も見られる。
店名はローマ料理「パスタ・アッラ・ゾッツォーナ」に由来。同料理名の語源である方言「zozzo」には「汚い」「雑っぽい」といった意味があり、料理の文脈では「こってりしたジャンクなうまさ」を指すという。Zozzonaではこの言葉を「単なるぜいたくではなく、より自由に、イタリアと日本の良さを融合させること」と再解釈している。
料理を指揮するのは東京、イタリア、シンガポール、香港で20年にわたりキャリアを積んできたTakayuki Kumai(クマイタカユキ)シェフ。経営には、インドのストリートフードをテーマに香港で展開する飲食ブランド「Bengal Brothers」の共同創業者Vidur Yadav(ビドゥル・ヤダヴ)さん、ミシュラン星付き店を含む多彩なレストランを手がけるレストラングループ「Black Sheep Restaurants」の共同創業者兼グループ全体の料理監修を務めていたChristopher Mark(クリストファー・マーク)さんが加わる。
Zozzonaの料理は、「ワインだけでなく日本酒やビールにも合わせたい料理」だといい、幅広いジャンルのアルコールメニューを提供する。
メニューは季節やシェフの感性に合わせて変えるが、手打ちパスタとシェアプレートを中心に、「親しみやすさと新鮮さを兼ね備えた料理を提供する」という。
例えば、前菜は「沖縄海藻のゼッポレ」(108香港ドル)や「セサミガーリックブレッド」(1個38香港ドル)など「軽やかな」一皿で始まり、「ブッラータチーズ、マンゴー、パイナップル、パッションフルーツ」「鹿児島ヒラマサのクルード」(以上148香港ドル)、「赤身マグロのたたき」(158香港ドル)などの料理を並べる。
毎日手打ちで作る看板メニューのパスタは、店名の由来ともなった豚の熟成頬肉や自家製ソーセージ、トマト、地鶏の卵黄を合わせた濃厚な味わいが特徴の「リガトーニ・アッラ・ゾッツォーナ」(158香港ドル)をはじめ、シソとクルミのペーストにマリネしたイカを添えた冷製の「タリオリーニ・フレッディ」(168香港ドル)、「スパゲットーニ・ボンゴレ」(178香港ドル、ウニは98香港ドル追加)、「シチリア産アカエビのリングイネ」(238香港ドル)などをそろえる。
営業時間は17時~22時。月曜定休。