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香港の経済自由度、2年連続1位に 国際貿易など部門別で3項目がトップ3

経済自由度ランキングで2年連続1位となった香港

経済自由度ランキングで2年連続1位となった香港

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 カナダ西部のバンクーバーに本部を置く公的なシンクタンク「フレーザー・インスティテュート」は9月25日、経済自由度を評価する「世界の経済自由度2025(Economic Freedom of the World: 2025 Annual Report)」を発表した。それによると香港は8.55 ポイントで1位にランクされ、3年連続1位となった。2位は8.50ポイントのシンガポール、3位は8.33ポイントのニュージーランドだった。日本は7.83ポイントで17位、中国は6.13ポイントで108位となった。

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 同指標は1970年に始まり、今回の数値は2023年の経済データを評価したもの。2023年は、香港は3月、日本は5月から事実上のアフターコロナの時代に入ったという経済状況。リポートによると2000年以降、経済自由度は基本的に向上してきたが、コロナ禍の影響で約10年間分の上昇分をほぼ帳消しにする出来事だったとまとめている。

 2023年の世界平均は2022年の6.56ポイントから6.20ポイントまで減少した。2000年以降、最も高かったのは新型コロナ前年である2019年の6.80ポイントで、それと比べると0.6ポイント減少しており、コロナ禍の影響が大きかったことを裏付けている。

 評価は、「政府のサイズ」「法制度と財産権」「通貨の健全性」「国際貿易の自由」「レギュレーション」の5つの分野を各10点満点で行い、世界165カ国・地域を対象とした。

 このランキングで香港は、2022年までは28年連続で世界一だったが、2023年にシンガポールに抜かれて2位になった。しかし、2024年にトップに返り咲き今年も1位を守った。

 項目別に見ると、「政府サイズ」で前年の7.34ポイントから7.49ポイントに上がり45位から37位に上昇した。「法制度と財産権」は、同7.49ポイントから7.60ポイントに上がったものの、順位は21位から22位とわずかに下がった。「通貨の健全性」は前年と同じ9.53ポイントで順位も変わらず3位だった。「国際貿易の自由」も前年と同じ9.57ポイントから9.66ポイントに増え、前年と同じ1位となった。「レギュレーション」は同8.86ポイントから8.49ポイントで1位から3位に順位を下げた。

 今回、同リポートは香港について1つの独立した項目を設けて分析している。2010年と比較した場合、全体で0.52ポイント数字が下がっているとし、2019年の大規模なデモを境に「政府サイズ」と「法制度と財産権」が大きく下がったことを明らかにしている。例えば、前者の「政府サイズ」は2010年は8.5ポイントだったが、今回は7.49ポイントまで下落したほか、後者の「法制度と財産権」は9.1ポイントから7.60ポイントに急落した。これらの状況は、GDPを押し下げる要素になっているとも指摘する。

 一方、日本は前年の7.90ポイントから7.83ポイントとなり前年の11位から17位に順位を下げた。「政府サイズ」=5.83(126位)、「法制度と財産権」=7.78(19位)、「通貨の健全性」=9.39(8位)、「国際貿易の自由」=8.56(31位)、「レギュレーション」=7.59(17位)となった。

 同日に英シンクタンクZ/Yenグループが「The Global Financial Centres Index(GFCI/世界金融センター指数)」を発表しており、香港はニューヨーク、ロンドンに続き3位にランクインした。世界を代表する金融センタ―の一つとして、また、アジアナンバーワンの金融センターとしての地位を維持している。

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