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香港・新界にも大型パーク「葵涌公園」 ごみ埋め立て地、廃虚から公園へ

公園内の見晴らしがよいエリアに設置されたブランコ型のベンチ

公園内の見晴らしがよいエリアに設置されたブランコ型のベンチ

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 香港島のビクトリアパーク、九龍半島の九龍公園に並ぶ大型の公園としての期待がかかる新界の「葵涌公園(Kwai Chung Park)」の供用が12月17日に始まった。

緑に囲まれた公園内

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 葵涌エリアは香港の新界南西部に位置する工業と住宅が共存するエリアで、世界トップクラスの取扱量を誇る港湾施設の葵涌コンテナターミナルがあることでも知られる。現在は青衣島とともに「葵青区」を構成し、居住人口は約49万人前後で、香港全体の約6~7%を占める。

 葵涌公園誕生までには長い歴史がある。もともと同園の前身は「醉酒灣堆填区」。かつて「醉酒灣」 と呼ばれる湾を埋め立てて造成されたごみ埋め立て地で、1960年代から使われ、1979年に閉鎖された。

 1980年代に当時のイギリス香港政府はこの跡地を大型市鎮公園に転用する計画を立て、1992年の完成を目指して工事も進められたが、敷地内でメタンガスが発生していることが判明し、安全上の理由から計画は中止された経緯がある。

 その後、2009年には敷地の一部(約3.9ヘクタール)が「香港ジョッキークラブ・インターナショナル・サーキット(香港賽馬會国際小輪車場)」として暫定的に利用されたが、2010年に閉鎖。2018年には一部が臨時板球場(クリケット場)として整備された。しかし広大な土地の多くは長年放置され、批判の的となってきた。香港政府環保護署は2000年にメタンガス処理を完了し、康樂及文化事務署(LCSD)に管理を移管し、ようやく整備が進んだ。

 今回の開園は、第1段階として約3.02ヘクタールを開放し、展望台、芝生広場、ジョギングコースなどを設置した。公園の最大の売りは展望台とブランコ型のベンチで、遊びながら藍巴勒(ランブラー)海峡や青衣島東岸の開放的な夕暮れ時の海を眺められる。高さ5メートルの滑り台や階段状の芝生スロープもあり、ピクニックなども楽しむことができる。

 近年の香港ではペット需要も高いことから、ペット同伴スペースも設けた。園内にはペット専用パークを設けている。

 公園のデザインには葵涌地区の特徴を取り入れ、コンテナをモチーフにしたパビリオンもある。キオスク内に展示された歴史的写真を通して、醉酒灣埋め立て地が1979年の閉鎖から現在までの変遷と発展を振り返ることができるなど、教育的な意味合いも込めた。

 公園の地形を考慮し、高齢者や車いす利用者が展望台やパフォーマンス広場などの高層施設に行きやすいようにスロープリフトを設置し、バリアフリーにも配慮する。

 将来的には、埋め立て地全体が公園の敷地に含まれると仮定すると、葵涌公園は面積27ヘクタールの香港最大の公園となり、完成した大埔ウオーターフロント公園(大埔海濱公園)や九龍東の啓徳開発区に建設中のメトロパーク(九龍東都會公園)よりも広くなる。第2期以降の開発時期は未定だが、地域住民からは早期整備を望む声が強く上がっている。

 開園時間は7時~23時。

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