沖縄発のステーキチェーン「やっぱりステーキ」(574A, 5/F, Metroplaza, 223 Hing Fong Road, Kwai Fong TEL 2610 1633)が12月15日、葵涌(Kwai Chung)地区の大型商業施設「Metroplaza(メトロプラザ)」にオープンした。香港初出店となる同店は、MTR葵芳(Kwai Fong)駅直結の利便性を生かし、地元住民から観光客まで幅広い層に「溶岩焼きステーキ」を提供する。
店舗面積は約84.3平方メートルで、50席を用意。香港人が多く住み、日常的に利用される商業施設内に出店することで「地元に根ざしたステーキ店を目指す」という。
「やっぱりステーキ」は2015年に沖縄で創業。同店には、創業当初からネパール人の従業員が多く、そのうちの一人が「故郷で『やっぱりステーキ』を開きたい」と言ったことが海外進出の始まり。2023年に海外1号店をネパールに開業して以来、オーストラリア、シンガポール、フィリピンへと展開を拡大。現在、ネパール2店舗、オーストラリア4店舗、シンガポール2店舗、フィリピン8店舗を展開している。
香港進出について、ディーズプランニング海外事業担当執行役員赤塚威さんは「コロナ禍前から香港、台湾、韓国、中国本土からの観光客の沖縄店舗への来店は多く、(香港出店は)自然な流れだった」とする一方で、「コロナ禍明けの香港経済の落ち込みを前に出店時期を見極めていたが、中低価格帯のレストランは好調であることが分かり、手軽にステーキを食べれるわれわれのコンセプトと合致したので出店を決めた」という。香港店はフランチャイズ展開となる。
沖縄にはもともとアメリカ統治下時代の影響でステーキ文化があり、深夜遅くまで開いているステーキハウス、24時間食堂でもステーキが食べられるという文化があった。創業者の義元大蔵さんは創業時から戦略的に「締めのステーキ」を打ち出し、選択肢の一つとして漠然とあった沖縄の「締めのステーキ」を定着させたという。
看板メニューは、希少部位「ミスジ」を使ったステーキ。1頭から約5キロしか取れない部位を店内で手作業でさばき、繊細な筋の入り方を見極めながら下処理を行うことで、「肉厚ながら柔らかな食感」を実現する。大量加工ではなく、「手さばき」にこだわることで、部位ごとに最適なカットを施し、ステーキのうまみを最大限に引き出す。
このミスジステーキのメニュー名は、「Yappari Steak」100グラム(78香港ドル)、150グラム(88香港ドル)、200グラム(108香港ドル)、300グラム(158香港ドル)で、全てのメニューには「サラダ・スープ・ご飯食べ放題」が付く。
ヒレステーキ「Tenderloin Steak」(118香港ドル)やリブロースステーキ「Ribeye Steak」(108香港ドル)などもある。牛タン「Beef Tongue」150g(78香港ドル)や豚ロース「Pork Chop Steak」(88香港ドル)などは香港市場向けに展開するほか、スパイスが利いたひき肉と野菜をライスにのせた沖縄発祥のタコライス「Taco Rice」、牛すじカレーライス「Beef Tendon Curry Rice」(以上68香港ドル)などの丼メニューにも力を入れていくという。
同店の特徴の一つは調味料が多いこと。香港現地で作る「オリジナルにんにく醤油(しょうゆ)」に加え、「シークワーサードレッシング」「ミックススパイス極(きわみ)」のほか、日本でも人気の「シャキシャキわさび」「ハバネロソース」も日本から輸入できるようにした。加えて、同ブランドのシグネチャーである、富士山の溶岩石も独自ルートで、香港で仕入れた。
1日の集客目標は、平日200人、週末300人としたが、オープン以来、連日300人を超える数字を記録しており、「今後も香港以外のアジアも含めて積極的に出店していきたい」とする。
営業時間は11時30分~22時。