オーシャンパーク(香港海洋公園)は6月27日、37年の歴史を持つサメとエイの飼育施設を刷新し、新サメ館「シャークミスティーク(尋鯊探秘)」として一般公開した。施設の中心部に360度から見渡せる大きな水槽を置き、サイズはこれまでのサメ館「パークシャークアクアリウム」の約5倍。容量2200トン、幅22メートル、奥行き38メートル、高さ7メートルの円柱状の大型タンクの回りを歩いて深い海の中にいる体験を味わいながら鑑賞できるように設置した。
子どもたちにも分かりやすいように、さまざまなディスプレーや資料も展示
同パークでは現在、頭部から長く突き出たノコギリ状の吻(ふん)を持ち、体長が最大6.5メートルにまで成長するノコギリエイ、円筒形の体と平たい頭を持ち夜行性のオオテンジクザメ、普段は攻撃的でないものの刺激されると尾の毒針を振り回すことがあるというマダラエイなどを展示。長い尾ひれと薄黄色の体色に黒い斑点を持つトラフザメ、世界中の暖かい海の沿岸に生息し体重が100キロにも及ぶ大型のシロワニ、ほかにもツマグロ、ネムリブカ、クモハダオオセなど、展示種類もアジア最大規模。オオテンジクザメは1980年代から飼育されている20歳を超える長寿ザメだ。
26日のオープニングセレモニーで、同パークのアラン・ジーマン(Allan Zeman)会長は、「同施設は香港がもともと漁村であったという海洋保護地域の精神に寄与し、多くの人が愛してきた海洋館(アトールリーフ)以上に香港ローカルの人にも楽しんでもらえるだろう」と自信を見せた。「家族全員で楽しんでもらえるように、これまで以上に車椅子での鑑賞なども想定した造りにした」とも。
1995年より園内全てのレストランでフカヒレの提供を取りやめたことから、セレモニーには香港でフカヒレの消費に反対する「ノー・シャーク・フィン」活動に取り組む飲食グループ8社傘下のレストラン135店も参加。中国で5~7割のフカヒレが消費されているという現状に対し、9月末まで「I’m FINished with FINs」キャンペーンを実施し、フカヒレ漁撲滅をあらためて呼び掛けることを発表した。
また、同園では8月24日までゲームやパフォーマンスを組み込み、新館誕生を祝う「サマー・シャーク・フィーバー」を開催中。園内のネプチューンレストランやタキシードレストランなどでも期間限定のプロモーションメニューを提供し、サメグッズも販売する。
同園への入場料は大人=320香港ドル、子ども(3~11歳)=160香港ドル。開園時間は10時~19時30分。