日本の秋の競馬シーズンスタートと同時に9月14日、2014-2015年香港競馬のシーズンが開幕した。
1884年創立の香港ジョッキークラブ(HKJC)は今シーズン130周年の記念の年を迎え、15レースが開催される国際G1および香港G1を中心に数多くのレースやバラエティーに富んだイベントを開催する予定で、前シーズン過去最高を記録した売り上げ約943億香港ドルの更新を目指す。
オープニングセレモニーでは華麗な獅子舞が披露されたほか、HKJCのウィンフリード・エンゲルブレヒト-ブレスケス最高経営責任者(CEO)が獅子に目を入れたり、キャリー・ラム(林鄭月娥)政務長官は香港政府を代表して表彰セレモニーに出席して大銅鑼(どら)を鳴らしたりするなど、香港、中華文化を強く意識。快晴の中でのシーズン開幕ということもあり前シーズン開幕日と比べて13%増の6万9878人が駆けつけ、観客の一部にはHKJCのレーススケジュールが書かれたカレンダーも配布された。土産店には日本人アーティスト山口潔子さんが特別にデザインしたというダッフルバッグ(380香港ドル)やTシャツ(160香港ドル)も並ぶ。
メーンレースのチーフエグゼクティブ杯(香港特区行政長官杯、11頭だて)は、中団からレースをすすめたゴールデンハーベストが4コーナーを抜けた後の残り約400メートルから長い脚を使って先頭に迫り、残り50メートルで先頭を走っていたスマート・ヴォラティリティーに抜き去り、クビ差で制覇した。勝利は13年11月27日以来7戦ぶりで通算5勝目、配当は単勝で79.5香港ドル。鞍上のモレイラ騎手はこの日の10のレースのうち3勝もするなど「彼の日」と呼ぶに相応しい内容だった。トニー・ミラード調教師は「調教して馬の調子を上げていけば12月に行われる国際G1の香港インターナショナルレースに参加するチャンスが開けるのではないか」と期待感を示した。
初日全10レースでの馬券の売り上げは前年比10.4%増の11億3900万香港ドルを記録。HKJCのエンゲルブレヒト-ブレスケスCEOは「この結果は大きな励みとなる。この20年間で最も大きな数字」と喜んだ。競馬場の施設が改修された際も「お客さまから手ごたえのある反応を得ることができたので、私たちは正しい方向に向いていると思う。お客さまに感謝したい」と語っている。HKJCは香港政府の歳入に貢献している最大の企業・団体の1つ。HKJCでは政府への納税額も公表していおり、この日は1億3,600万香港ドルだった。