香港・銅鑼湾SOGOで現在、「京都フェア(京都千年風味)」が開催されている。
京都府が香港で物産展を開くのは一昨年8月に次ぎ今回で2回目。「聖護院八ッ橋総本店」、「京都祇園ボロニヤ」、「京つけもの川久 北尾商店」、「光露園」、「玉乃光酒造」など食品関連企業13社、扇子やお香など京都の和雑貨関連企業7社の計20社が出店する。
京都府商工労働観光部海外経済課の後藤英之さんは「今回は前回の課題を踏まえて出店している企業が多く、1500万円を超える売り上げを見込んでいる」と話す。一例では、前回は「漬物がしょっぱい」と話す人が多かったため、甘みがある物と辛い味付けの物を用意して臨んだ。「初日には、香港マーケットの鍵を握る食品だけでなく、工芸品も大きく数字が動いている」とも。
約300年の歴史を持つ茶葉販売店の老舗「一保堂」は現在、海外での店舗展開は一切行っておらず、「ただ売ればよいだけでなく、きちんと伝え分かってもらった上で購入してもらいたい」と同社の考え方を貫いた上での海外への紹介の仕方を検討する。
同社の富田貴之さんは「海外の顧客に向けては現在オンライン販売ができるようになり、実績は着実に伸びている」と現状を説明する。「ただし、オンラインは顔が見えない商売であるため、英語版の翻訳などにもこだわり、思いを伝える努力をしている」とも。
洋菓子「茶の菓」を販売するマールブランシュの室井理恵さんは「初日は当社の商品目当てに並び、まとめて購入する方もいた」と話し、手ごたえはつかんだものの一保堂同様、「販売する場所、購入する方までしっかり届くよう考えるため、海外はパリに1コーナー、ニューヨークに1コーナーでしか展開していない」と話す。店頭では、購入時に包装紙の有無を選択できるようにしたことで、包装の手さばきをじっと見つめる香港人の様子も見られた。
とある出店企業の担当者は「香港の顧客は一口目の試食などの印象で質問もなく購入してくれる人が多いが、自分の分野の物であればどんな質問にも答えられる」と自信を見せる。
同フェアに先立ち24日には、香港在住の京都出身者・関係者と京都の出店企業が集まった。京都府による27 年度の新規事業として、海外の主要都市において現地在住の京都出身者や企業などで組織する「京都倶楽部」を創設し、ネットワーク構築を図っていくことを目的としたもので、これまで集まることの少なかった京都の人たちとのつながりも今後の海外展開で大切にしていくという。
同フェアは3月3日まで。