香港歴史博物館でチャイナドレスの歴史を振り返る企画展

鄧麗君(テレサ・テン)が1970~80年代に香港で公演した際に着用したものと同デザイン。黒地にスパンコールで鳳凰の柄を刺繍したもの

鄧麗君(テレサ・テン)が1970~80年代に香港で公演した際に着用したものと同デザイン。黒地にスパンコールで鳳凰の柄を刺繍したもの

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 尖沙咀の香港歴史博物館1階のロビーフロアで現在、100年の長衫(丈の長い中国服)の歴史を振り返る企画展「百年時尚-香港長衫故事(A Century of Fashion: Hong Kong Cheongsam Story)」が開催されている。

30点が並ぶ会場の様子

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 同展は2013年に台北で開催された「香港ウィーク」のプログラムの一つとして企画されたもの。中国本土に起源をもち、清末期に発達した長衫の香港での発展の変遷を紹介する。正式には「旗袍」で、香港市民の間では「長衫」と呼ばれるチャイナドレスの香港での歴史は1910年代にまでさかのぼる。生地もジャガードで上下に分かれているものから始まり、長袖のものなどが多かった。1930年代になり、シルク地のものなども登場。ノースリーブ全盛の時代を経て、長袖ジャケットがセットになっているものも生まれた。

 会場には30点以上のチャイナドレスを年代ごとに展示し、時代の変遷や使用生地の変化、色遣いなどの変化やエピソードなどを紹介。戦後に大きく洋風テイストが入ってくる様子や、香港の女子生徒が着用している白地や紺地の制服なども展示されていることで、現在の学生用の制服の起源がチャイナドレスにあることもうかがい知れる。

 「最も美しいミス香港」と称されるロレッタ・チュウ(朱玲玲)さんの1977(昭和52)年ミス香港受賞時のターコイズブルーのチャイナドレスは、当時の映像も交えて公開している。

 そのほか、1936(昭和11)年の中環をチャイナドレスでさっそうと歩く女性たちのモノクロ映像や、フラワーボタンと呼ばれるシルクで作る襟元の飾りボタンの職人による工程紹介の映像、作品や裁縫道具の展示も。

 開館時間は10時~18時(土曜は19時まで)。火曜休館。入場無料。3月3日まで。

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