日本食を楽しみながら、香港でも人気のある日本酒の飲み放題ができる「日本清酒蔵所 by SAKE SAN」(Shop C&D, G/F., Fashion Walk, 66-72 Paterson Street, Causeway Bay)Tel: 2382 2988)が6月1日、オープンした。
店主のエリック・チョイ(Eric Choi)さんは「最初はすしの店を経営しようと考えていた。すしによく合う酒を探すわけだが、日本酒は奥が深いし、日本酒が好きな香港人は多いので、日本酒を飲みつつ、すしや食事を楽しんでもらおうと少しコンセプトを変更した」と経緯を話す。新型コロナウイルス肺炎の拡大前は毎月日本を訪れて新しい酒がないか探していたという。香港で日本酒の利き酒師になりたい人が通う学校もあり、勉強を続けた結果、「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」認定の国際利き酒師資格も取得した。
店舗面積は約2000平方フィートで、席数は店内100席、テラス席30席の計130席。すし店を考えていたこともあり、店の奥にはすしカウンターを備え職人がすしを握っている。インテリアはテーブルや机などに木を使って日本風に仕上げながらも、現代風アートやモダンなライトを使って、「日本、日本にしないことを意識した」という。
売りは「2時間半の日本酒の飲み放題」(468香港ドル。14時30分~19時はハッピーアワー=368香港ドル)。時間内で、常時6種類の大吟醸が飲み放題となる。客は店から180ミリリットルが入る銀色のカップを渡され、店の中央部にある日本酒の自動販売機のような機械の注ぎ口にカップを置きボタンを押す。冷酒を選んだ場合、水と氷が入った深い枡が運ばれカップを直接冷やすこともできる。
日本酒を個別に飲む場合も、種類の豊富さを売りにする。日本各地にある25の蔵から仕入れるが、1銘柄の酒にも大吟醸を含めいろいろな種類があるため、実際に飲めるのは100種類を超える。一例として、福井の酒蔵「黒龍」は大吟醸、純吟三十八号、二左衛門など13種類あり、奈良県の「風の森」はアルファTYPE2、秋津穂 純米大吟醸 しぼり草など6種類ある。さらにそれぞれの酒が180ミリリットル、720ミリリットル、1800ミリリットルという3つのサイズを用意するなど香港でも注目が集まる「小瓶」も並べて楽しみやすいようにした。価格は、黒龍の大吟醸(720ミリリットル)は680香港ドル。山形県の十四代は日本全国にも知られているが、特別本醸造本丸(1枡瓶)=3,680香港ドル。
フードメニューは「富山白えびから揚げプラス淡路島玉ねぎ」(88香港ドル)はパリパリとした小エビの唐揚げで、一つの皿の中に甘い玉ネギの唐揚げを組み合わせた。「沖縄豚肉羽根つき焼き餃子」(6個入り88香港ドル)は、外の皮はパリパリしている典型的な日本のギョーザ。「極上海の幸天ぷら盛り合わせ」(288香港ドル)はエビ(2本)、ちくわ、ホタテ、シイタケなどが付き、塩を添える。
ほかにも大根、こんにゃく、ちくわなどの「おでん」(3品以上で18~38香港ドル)、すしカウンターで職人が直接握る「おまかせずし」(6貫198香港ドル)など、酒に合う料理を多彩にそろえている。
営業時間は12時~23時。