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香港の一般ゴミは、専用ゴミ袋で完全有料化へ 2023年に開始予定

香港でも2023年から専用ゴミ袋に切り替え予定

香港でも2023年から専用ゴミ袋に切り替え予定

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 香港立法会は8月26日、飲食店、企業、一般家庭から排出されるゴミについて専用の有料袋の使用を義務付ける条例案「2018年廢物處置(都市固體廢物收費)(修訂)條例草案(Waste Disposal (Charging for Municipal Solid Waste) (Amendment) Bill 2018)」」を賛成多数で可決した。早ければ2023年から実施される。

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 香港は、基本的に分別収集としてゴミを捨てる習慣がなく、ゴミ処理問題については長年の課題となってきた。2009年7月にレジ袋を有料化し、街角や一部のマンション内に種類別のゴミ箱を設置するほか、香港内各所に設置した「回収環保站(Recycling Stations)」というリサイクルを促す方策に取り組んでいる。

 香港で廃棄されるゴミの内訳を見ると、2019年は1日当たり1万5637トンで、そのうち固体廃棄物は1万1057トンと全体の約71%を占め、2018年より3.2%減った。建築廃棄物は3964トン、その他635トンとなっている。全体のゴミ量は2018年より2.8%の改善が見られ、廃棄物は5年連続で下がった。

 都市別で見ると1人1日当たり、台北=880グラム、東京=1.03キロ、ソウル=1.08キロ、香港とロンドン=1.45キロのゴミを生み出している。つまり、香港市民は1日当たり1キロ以上のゴミを出している計算で、香港全体としてゴミの減量化はまだまだ改善の余地がある状況だ。

 今回実施する施策は、ゴミ袋は政府指定の専用ゴミ袋をのみを認めるもの。条例施行後は有料のレジ袋をゴミ袋として再利用することは認められなくなる。料金は1キロ当たり0.11香港ドルで、3キロ=30セント、5キロ=60セント、10キロ=1.1香港ドル、15キロ=1.7香港ドル、20キロ=2.2香港ドル、35キロ=3.9香港ドル、50キロ=5.5香港ドル、75キロ=8.3香港ドル、100キロ=11香港ドルの9種類。政府によると3人家族であれば1カ月当たり33香港ドル~51香港ドル分のゴミ袋を利用すると試算している。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ガソリンスタンド、郵便局、自動販売機などで販売する。

 家具などのゴミ袋に入らない大型ゴミは1律11香港ドルの廃棄料がかかり、指定のラベルを貼らなければならない。

 違反すれば1,500香港ドルの罰金となる。裁判のケースにまで持ち込まれ有罪となれば1回目は最高で2万5,000香港ドルの罰金と6カ月の懲役、2回目は5万香港ドルの罰金と6カ月の懲役となる。

 施行までに18カ月間の準備期間を設けることから2023年内に始めたい意向だが、新型コロナウイルスの影響などもあり、具体的な日程は状況を見て判断するという。

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