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香港「アートバーゼル」、フルスペックで復活 同時開催のアートセントラルも継続開催

昨年と同様ハイブリッド形式で開催するアートバーゼル香港

昨年と同様ハイブリッド形式で開催するアートバーゼル香港

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 アートの街として存在感を増している香港で、新型コロナウイルスの感染拡大による入境で思うように開催できなかった2年を経て、今年は「アートバーゼル」と「アートセントラル」が5月25日~29日、開催される。いずれも会場は湾仔(Wanchai)にある会議展覧中心(HKCEC)。新型コロナウイルスの感染拡大によって、「アート・バーゼル香港」は2020年は中止、21年は3月予定から5月に延期するなど、さまざまな対応を余儀なくされてきた。

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 元々、「アートバーゼル」「アートセントラル」を中心とした各種芸術イベントは「アートマンス」と題して2019年までは3月に行われていた。しかし、2020年に入り新型コロナウイルスが香港でも拡大。2020年はほとんどの芸術企画がキャンセルとなった。2021年も厳しい水際対策が講じられたこともあり、アートバーゼルは開催時期をずらし、かつ規模を約半分にしてHKCECでの開催にこぎ着け、香港居民以外が入境できないことを考慮してオンラインで配信にも力を入れるハイブリッド開催を行った。

 一方、2021年のアートセントラルは、それまで中環(Central)のフェリーふ頭すぐ南にあるハーバーフロントにある特設会場で行われてきたが、HKCECに会場を移し、5月に延期し、かつ規模を縮小する形で行われた。コンセプトも世界中の作品から香港とアジアの作品が大多数を占めていた。

 今年に入り、オミクロン株は従来株より感染力は強いものの重症化しにくいこと、ワクチン接種が香港やイベント参加国・地域でかなり進んだこと、香港が実質的にゼロコロナからウィズコロナに徐々にシフトしたことで入境制限が緩和された。依然として政府指定ホテルでの1週間の隔離はあるものの、海外からの参加者も入境することができるようになった。

「アートバーゼル」の参加ギャラリーは、2021年は104のギャラリーが参加したが、今回もハイブリッド形式を採用しつつも、28の国と地域から130と前年より出展者数は増えている。日本からは東京「ユミコチバ・アソシエイツ」、京都「思文閣」、高崎「rin art association」が20近い画廊の作品を展示するなど、パリ、ニューヨークのギャラリーと並ぶほどの存在感を示している。

全部で3部門を用意し、大御所から新進気鋭の作家の作品を展示する「ギャラリー部門」、アジア・太平洋地域における近代美術の歴史を紐解く「インサイト部門」、新人アーティストを紹介する「ディスカバリー部門」で構成する。

 さらに今年からは、西九文化区(WKCD)に完成した大型現代美術館の「M+」とコラボして開催し、エレン・パウによるサイトスペシフィックな映像最新作プログラム「The Shape of Light(光のかたち)」も予定する。大型インスタレーションでは、香港の金魚街を想起させる許開嬌(Angel Hui Hoi Kiu)さんの作品と、ニューヨークを拠点とするアーティスト、ミン・フェイさんが生と死のテーマを通して東洋と西洋の哲学を結びつけた作品「ガーデン・オブ・ライフ」などを紹介する予定。

 日程は、5月25日~27日は招待客のみで、28日・29日の両日は一般にも開放するほか、前日の27日には前夜祭も行う。入場料は、27日~29日の3日間通し券(前夜祭を含む)は2,700香港ドルに設定した。27日の前夜祭は一般にもチケットを販売。昼の部(14時~17時)と夜の部(17時~20時)はともに950香港ドル。28日=昼(同)300香港ドル・夜350香港ドル、29日=昼(12時~15時)350香港ドル・夜(15時~18時)400香港ドル。

 「アートセントラル」は香港や中国本土を中心に308のギャラリーが参加するが、日本からは、東京「ホワイトストーン・ギャラリー」、鎌倉「鎌倉画廊」などが出品する。絵や彫刻の展示に加え、音、光、映像などを駆使する装置的な作品を並べるほか、芸術家のトークショーや演劇も上演予定。

日程は、5月25日は招待客のみだが、26日から最終日の29日までは一般に展示することから、アートバーゼルより長く芸術が楽しめる。入場料は、26日・27日=200香港ドル、27日・28日=250香港ドル。開催時間は、26日第1節=14時~17時、第2節=17時~20時、27日・28日の第1節=11時~15時、第2節=15時~19時、29日の第1節=11時~15時、第2節=15時~18時。

 アートバーゼルとアートセントラルの入場チケットは、快達票(HK Ticketing)のサイトで扱うほか、現地でも販売。新型コロナウイルスの影響でチケットの販売数を制限している。

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