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啓徳地区の新複合施設「AIR SIDE」 今年第3四半期に開業へ

今年啓徳地区に開業する複合施設

今年啓徳地区に開業する複合施設

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 香港の中堅デベロッパー南豊集団(Nan Fung Group)は5月10日、旧啓徳空港(Kai Tak Airport)の北東部に建設中の商業施設とオフィスの複合施設「AIR SIDE」を今年第3四半期に開業すると発表した。施設内にはMUJIやCitysuperの入居が決定するなど、九龍北東部の新しいランドマークになると話題になっている。

モール内のアトリウム

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 旧啓徳空港跡地では、香港スタジアムの代わりとなる大規模スタジアムの建設作業が行われているほか、大規模な住宅開発が着々と進められている。尖沙咀(Tsim Sha Tsui)で長年営業し、閉店した「そごう」が啓徳(Kai Tak)に移転予定であるなど、香港中心部において最後の大規模開発エリアといえる場所になっている。

 「AIR SIDE」は、MTR中環駅(Central Station)から20分ほどにある啓徳駅(Kai Tak Station)の北西部に建設されているもので、正面には政府合同庁舎「工業貿易大樓(Trade and Industry Tower)」がある。新施設の面積は190万平方フィートで、47フロアあり、うち32フロア分はオフィス用に使う。

 地球温暖化を受けてエネルギー節減や緑を多く活用しようとしている点が特徴。商業エリアの広さは70万平方フィートあるが、機電工程署(EMSD)が設計した冷却システムを採用し、年間83万9300キロワット分の電力を節約する。ビルの屋上にはソーラーパネルも設置し、年間27万キロワット分の発電も行うが、これは700戸分の住宅の1カ月分の電力使用量に相当する。

 南豊はこれら2つの省エネ設備に投資をすることで、合計776トンの二酸化炭素の排出を抑えることができるとする。これは1万2800本を植樹したことに相当するという。駐輪スペースは48台、駐車スペースは850台分を確保し、全てに電気自動車用の充電設備を設置。香港社会でのEV化を促進する。

 加えて、ビルの中腹に4000平方フィート分の小さな農園を作り、50種類もの野菜を栽培することを計画している。利用客は野菜を育てる農業体験ができるほか、収穫した野菜の一部はモール内に出店するレストランにも分配する。

 オフィスやオフィスエリアには南豊の本社も移転するほか、コニカミノルタ・ビジネスソリューションズ(香港)、フランスの調理器具で家電メーカー「Groupe SEB」などと契約を結んだ。家賃は1平方フィート35~49香港ドルで設定。啓徳エリアの高級オフィス物件の平均が25香港ドルであることから、相場よりもかなり高額に設定されている。

 商業施設は既に全店舗の8割が埋まった。キーテナントとしては、3万3000平方フィート分を誇るシネマコンプレックス「MCL AIRSIDE」が入る。7スクリーン合わせて約900席の大型映画館となる。2万5000平方フィートの大きさのシティースーパーや1万2000平方フィートのMUJIなど、大型店を構える。

 ほかにもファッションや生活雑貨を扱う店が出店するほか、世界各国の料理が楽しめるレストランは40店舗ほどが開店を予定する。商業スペース内には、芸術の展示会などに使える「Gate 33藝文館」と呼ぶ3000平方フィート分のスペースも設ける。

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