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香港で食の祭典「Food Expo」開幕 試食再開に喜びの声

会場には香港人バイヤーに加え、さまざまな国の人が集結

会場には香港人バイヤーに加え、さまざまな国の人が集結

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 食の祭典「香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC)フードエキスポ」が8月17日、開幕した。33回目となるフードエキスポは今年も、「ビューティー&ウエルネス・エキスポ」「ホームデライトエキスポ」「香港国際ティーフェア」などと併催する。

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 BtoBについては「フード・エキスポPRO」と名称を改め、17日~19日に同会場で開催する香港インターナショナル・ティー・フェアと同時開催する。これらのイベントには計1700以上の出展者が参加し、貿易バイヤーや一般消費者に、世界の料理や生活用品をワンストップで楽しめる調達・ショッピングのプラットフォームを提供する。インドネシア、日本、韓国、メキシコ、ポーランド、タイ、中国本土の福建省、黒龍江省、湖南省、吉林省、四川省、浙江省など21のパビリオンを含む20の国と地域の食品・飲料製品を展示する。

 ジャパンパビリオンは5階に設けられた。日本からは北海道、青森県、熊本県、栃木県、岐阜県などのほか、72コマ150社が出展している。

 JETRO香港の高島大浩所長は「4年ぶりの試食ができるフードエキスポに出展社のやる気と期待を感じる」と手応えを話し、「コロナ禍の間に日本の企業もいろいろな開発をしてきた。これらを香港に紹介し、バイヤーの反応を自分の目で確かめてもらいたい」と話す。

 栃木県ブースに出展した米粉商品を中心に展開する「波里」は創業76年を迎えたが、香港のエキスポ出展は初めて。米粉で作った薄力粉のほか、栃木のイチゴを中心に生クリームともち粉で作った冷凍大福などを紹介する。同社の長島丈記さんは「世界基準でも日本の米粉は厳しい基準をクリアしている。香港の企業に加え、世界各地のバイヤーに紹介したい」と意気込む。

 青森県ブースに出展した、完熟甘トウモロコシ「郷(さと)のきみ」をブースに並べた新郷村「郷のきみの会」の中平将義さんは「有機で育つこのトウモロコシは朝の5時までに収獲しなければ、味が全く変わってしまう」と話す。「収獲後も立てた状態で冷蔵状態を保持できればおいしさを保つことができる」と説明する。「生で食べられることにびっくりするバイヤーも多く、ゆでるのが面倒という人にも積極的に販売したい」と意気込む。

 今回新たに設けた新しい食品科学・技術ゾーンでは、フードテック新興企業が開発したピーナツタンパク質をベースとした代替植物性鶏肉製品や、地元の学術機関が開発したノンアルコールビールなど、食品加工技術を紹介する。フェア期間中にも2つのフードテック・シンポジウムが開催され、香港の食品産業における新技術の開発について、食品技術ベンチャー企業が技術がどのように飲食・小売業界を再構築しているかなどを議論する。

 一般向けのフロアでは、香港内の大手食品企業が30ブランド以上出展し、大型パビリオンを設けて直接消費者に販売。季節がら月餅やドリアン関連商品などもあり、消費欲の高い来場者たちに「まとめ買い」などの割引価格を設け、積極的に販売する。特別価格1香港ドルで限定数を販売する商品を用意するアイデアがフードエキスポ毎年恒例のイベントだったが、今年はさらに0.1香港ドルを設定して来場者を引きつけようとする作戦に出る企業も見られた。

 世界各国の料理やダイニングを紹介するパブリックホールとグルメゾーンを設けたグルメゾーンでは、アジア、ヨーロッパ、アメリカから100近い出展社によって紹介されるほか、デザートやオーガニックグリーン、高級コーヒーなども世界各国から集められた。今年は、新たに「ワイン・ウイスキー・ワンダーランド」ゾーンを設け、世界各国の高級ワインを集めている。

 「フードエキスポPRO」「香港国際ティーフェア」は19日まで(19日は一般にも開放)、「フードエキスポ」「ビューティー&ウエルネス・エキスポ」「ホームデライトエキスポ」は21日まで。入場料は30香港ドル。指定時間のみ入場できるチケットなど、種類によって異なる。

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