見る・遊ぶ

香港政府、ナイトライフを強化 体系化したプロモーションで内需喚起

香港政府が行ったプロモーション概要を説明する記者会見

香港政府が行ったプロモーション概要を説明する記者会見

  • 6

  •  

 香港政府は9月14日、ナイトライフの活性化を目的とした「香港夜繽粉(Night Vibes Hong Kong)」の詳細を発表した。かつて「不夜城」と形容されることも多かった香港だが、市民の生活はコロナ禍を経て生活習慣に変化が生まれ、外出が減った。政府としては、市民に「外出喚起」をすることによりコロナ禍以前のように再び外出を増やしてもらい、経済を活性化させたい狙い。

[広告]

 コロナ禍は香港市民の生活様式に変化を与えた。感染防止のため外出を減らすのみならず、リモートワークが普及したため、勤務終了後に外食する習慣が減ったことから、レストランや小売店などの売り上げがなかなかコロナ禍前に戻っていない。

 状況を危惧した香港政府は、「夜に外出をすれば楽しい、お得」という強力なインセンティブを働かせることで市民に夜に繰り出してもらい、内需を喚起する形で香港経済を活性化させようとしている。

 これまで香港で各企業が個別に取り組んできたキャンペーンやプロモ―ションと新規の企画とを組み合わせ「香港夜繽粉」という統一した名称の下に実施。より高い宣伝効果を狙う。

 具体的には、12月まで80を超えるショッピングモールで閉店時刻の繰り下げや、イベント、料理の割引などを行う。映画では、シネコン・独立系の映画館で夜間上映を行い、チケットの割引も行う。競馬では毎週水曜にハッピーバレー競馬場で開催するレースの入場料を12月いっぱい無料にする。

 9月15日~10月8日は「中秋節(Mid-Autunm Festival)」に関連して、ビクトリアパークなど香港内4カ所でランタンのカーニバルを開催。香港ディズニーランドでは9月16日~10月31日、海洋公園(Ocean Park)では9月15日~10月31日、ハロウィーンをテーマにしたイベントを開催する。オーシャンパークでは大みそかのカウントダウンパーティーを開く予定。

 9月29日から8週間は香港芸術館(Hong Kong Museum of Art)、香港科学館(Hong Kong Science Museum)、香港科学館(Hong Kong Space Museum)の3つの施設について、閉館時刻を22時まで延長する。8週間はトライアルで、その後、延長するかどうかは、それまでの状況などを見て判断する。M+では18時~22時、夜間展示とワークショップを実施する。

 香港地鉄(MTR)は9月29日~11月23日、22時30分以降に5回乗車すると1回の乗車が無料となるキャンペーンを実施する。無料は最大4回。9月30日には中環(Central)の海濱活動空間(Harbour Event Space)でドローン1200機による飛行パフォーマンスを実施するほか、10月26日~29日は同所で毎年恒例の「2023香港美酒佳?巡禮(2023 Hong Kong Wine & Dine)」を開催。これに加え、11月1日~30日は同イベントを香港全体に拡大させたプロモーションを行う。

 9月末~11月末は湾仔(Wan Chai)、卑路乍湾(Belcher Bay)、観塘(Kwun Tong)のプロムナードで毎週末にパフォーマンス、文化イベント、ガイドツアーなど10のアクティビティーを行う。香港最大の歓楽街、蘭桂坊(Lan Kwai Fong)は9月末~10月、飲食店で割引オファーのほか、ストリートパフォーマンスを実施する計画だ。

 11月~来年1月には「夜間遊(Night Tours)」と題し、オープントップバスで1人当たり20香港ドルのナイトツアーを実施し、ツアー客は香港らしいネオンサインを楽しめるようにした。

 そのほか、これまで行われてきた花火大会や正月・旧正月に関連するイベントも香港夜繽粉の一環として、より強力にプッシュしていくという。

 これらの体系化したイベントを連続的に行うことで、香港市民のためのナイトライフにコンテンツを提供し、統一した題目に沿ったプロモーションを各事業者が行うことで内需喚起、一定の経済効果を見込む。2024年上旬まで継続して行う予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース