食べる

香港・中環に日本餃子の専門店「Gyoza AnD」 日本の薄皮で提供

中環にオープンした、薄皮の日本の餃子をメインにした「Gyoza AnD(ギョーザアンド)」の商品

中環にオープンした、薄皮の日本の餃子をメインにした「Gyoza AnD(ギョーザアンド)」の商品

  • 1

  •  

 日本餃子の専門店「Gyoza AnD(ギョーザアンド)」(Upper Ground, 76 Wellington St, Central)が5月13日、中環(Central)でローカルグルメ店が立ち並ぶ威靈頓街にオープンした。 香港で焼き肉店「298 Nikuya」や焼き鳥「Birdie」を展開するP.O.N.が展開する。

店舗入り口の壁に描かれた、フォトスポットにもなるウォールアート

[広告]

 香港にはローカルの餃子専門店は多数存在するが、ほとんどが水餃子をメインに扱う店で、焼き餃子をメインにした餃子専門店は少ない。その上、ローカルの餃子は水餃子向けに作られた皮が厚いものが多く、日本で一般的な薄皮の餃子とは異なる。「香港人にも日本の餃子のおいしさを知ってもらいたい」という思いから、同社は4年ほど前から日本の餃子専門店の出店を計画していたという。

 日本の餃子専門店を出店する背景は他にもある。オーナーの父親が1979年から東京都文京区内で餃子店「餃子安(ぎょうざあん)」を営んでいた。同店は1985年に閉店したが、「父の餃子の味を残したい」という思いから、40年の時を経て香港で復活を果たした。

 当時の店のイメージを残しながら、「昭和にタイムスリップしたような」喫茶店風の内装が特徴で、カウンター席とテーブル席合わせて20席を用意。台紙に写真を置いてフィルムで保護するアルバム風のメニューや、店内に貼られた昔のポスター、1970~80年代の歌謡曲のBGMなどで、レトロモダンな雰囲気を演出している。

 看板メニューの「自家製焼餃子」(52香港ドル)は、エグセクティブシェフの小原さんが日本に何度も足を運ん全国の餃子店を巡り、「食べやすく優しい味わいながらも、ジューシーで記憶に残る味」を目指して、研究を重ねて開発したというメニュー。日本の餃子の特徴である薄い皮も、「もちもちながらも焼き目はパリッとした味わいになるよう、強力粉と薄力粉のバランスにこだわった」という。焼き餃子は、定番メニュー以外に、コリアンダーやカキなど、日替わりの味も1日5~6種類を用意し、中でもたこ焼き味は「香港人にも好評」という。

 水餃子は「親父の水餃子」(52香港ドル)の1種類のみを提供する。小原さんが、オーナーの母親から当時のレシピを直々に教わり、アレンジを加えて完成させた。皮は焼き餃子と同じ薄皮で、豚肉、白菜、ニラに加えて、隠し味に干しエビを入れている。

 水餃子も焼き餃子も化学調味料を使わず、全て手作りで、仕込みでは毎日店で1000個以上の餃子を包んでいるという。お酢3:しょうゆ1:ラー油1のタレや、日本で人気の、酢とコショウを合わせたタレにつける食べ方を推奨している。

 サイドメニューは、牛タンとホルモンをホロホロになるまで煮込んだ「味噌(みそ)燉牛串」(90香港ドル)など新しく開発したメニューのほか、「298酸汁牛筋(牛すじポン酢)」、「BIRDIE辛辣鶏胸芫茜沙律(ピリ辛胸肉パクチーサラダ)」(以上68香港ドル)などのグループ店舗の人気メニューも提供する。鶏ガラだしのシンプルな「醤油拉麺」(72香港ドル)、「坦坦撈麺」(72香港ドル)など食事メニューも用意した。

 香港では餃子に豆乳を合わせるのが主流だが、餃子とアルコールを合わせる日本のスタイルを香港でも広めたいという思いから、ビールやハイボール、日本酒やワインなど、アルコールのラインアップを強化した。アルコール以外には、「クリームソーダ」「コーラフロート」(以上50香港ドル)など、昭和レトロを表現するメニューも開発した。

 ランチ営業も行い、餃子と麺とドリンクのセット(98香港ドル~)をメインに提供する。

 店舗入り口の壁には、日本人アーティストMr.DOINKさんが、餃子を頬張る女性のウオールアートを描いた。同店がある靈頓街(Wellington Street)は餃子専門店が多く立ち並び、ローカルには「餃子ストリート」としても知られている。小原さんは「当店がにぎわい、ウオールアートが香港の新たなフォトスポットになることで、このストリートをさらに盛り上げていきたい」と話す。

 営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=17時30分~22時。日曜定休。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース