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香港とマカオ、永久居民対象にQRコードで出入境可能に

香港政府とマカオ政府は7月19日から、永久居民を対象にQRコードのみでの出入境サービスを開始した

香港政府とマカオ政府は7月19日から、永久居民を対象にQRコードのみでの出入境サービスを開始した

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 香港政府とマカオ政府は7月19日から、両都市の満11歳以上の永久居民を対象にスマートフォンを使ったQRコードのみで出入境できるサービスを始めた。既にIDカードを使って双方の自動化ゲート(e-channel)による出入境が可能だったが、それに代わりスマホに表示されるQRコードを掲げることで出入境手続きが可能となる。

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 香港とマカオの永久居民は2009年12月から、所定の手続きを済ませればe-channelを使えるサービスを始めており、既に250万人の香港人、30万人のマカオ人が利用登録を済ませている。これにより、双方の入境カードに記入が不要になり、出入境スタンプが押されなくなるほか、例えば、マカオGPの開催時など、マカオ側の税関が混雑し、出入境手続きだけでも1時間ほど待つことも多かったが、e-channelを使えば行列に並ぶ必要がなくなり、それほど待つことなく入境することができるようになっていた。その際は香港のIDカードが必要だったが、これをQRコードも使えるようにする措置となる。

 IDカードとQRコードの違いだが、従来は機械にIDカードを読み取らせ、その後、自分の指紋を読み取らせる形を採用していた。QRコードの場合は、スマホに表示されたQRコードをかざし、その次に顔認証で手続きをする流れに変更した。指紋認証がなくなったのが大きな違いとなる。これまでより2秒ほど手続きプロセスが短くなるとしているが、IDカードの場合、財布やバッグの中からIDカードを取り出す作業があるため、実際の時間短縮効果はそれ以上になるものと見込まれている。

 香港の場合、対象は満11歳以上の永久居民で、既にマカオの自動化ゲートの登録を済ませている市民に適用する。利用可能な場所は、港澳客輪碼頭(Hong Kong-Macau Ferry Terminal)、香港国際空港、港珠澳大橋(HZMB)などにある税関。

 登録には「非觸式e-道(e-channel)」のアプリをダウンロードまたは開く。左下に掲示される「啓動港澳通関互用二維碼」をタップし、必要事項を登録。終了後、約3時間後から利用できるようになる。11歳~17歳は出生証明書や親のIDカード情報など必要な情報が増える。

 両政府が非接触を推進する理由として、2003年の重症急性呼吸器症候群と2020年の新型コロナウイルス(Covid-19)の影響がある。非接触型にすることで、より衛生的になり、これにより将来にわたってしでも感染症拡大を防ぐ狙いがある。

 なお、QRコードでマカオに入境しても、マカオ内でも香港のIDカードを携行している必要がある。

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